石川からの帰り、奥飛騨にとても雰囲気の良さそうな宿を見つけたので、行ってきました。
こちらの孫九郎最大の売りは、4本の自家源泉を有し、加水加温なしのまさに源泉100%の状態で提供していることです。
温泉好きな人には、垂涎の宿であることは間違いありません。
温泉が最高なのはもちろん、宿の施設も新しく、係の人もとても感じがよくて、居心地がいいハイレベルの宿でしたので、自信を持っておススメできる宿です。
車を置くと宿の人が出てきて荷物を持ってくれて、チェックイン。
若い女性が、ニコニコと笑顔で対応してくれました。
上の写真を見ていただければわかるように、木の温かみをたっぷり感じられるような、お洒落な古民家的な造りになっています。
フロントからしてこんな雰囲気のある宿ということで、弥が上にも期待値は爆上がりです。
そして結局、それを裏切らなかったという。
やるな孫九郎。
案内されたお部屋は三階のこちら。
コロナのご時世で、お布団は最初から敷いてありました。
時期柄仕方ないですが、最初から部屋が狭くなっちゃうのは残念ですね。まして、いい部屋ならなおさらのこと。
窓辺にデイベッドが置いてあって、一人が最初から最後までそこを占領してました。
もちろん冷蔵庫もありました。
温泉セットの袋の中には、折り畳みのブラシも用意されていて、友達が喜んでました。
天気があまり良くなかったのですが、それでもこの山深く緑濃い景色は、都会の喧騒を忘れさせる癒しをもたらしてくれます。
ここは温泉が素晴らしいので、温泉に入りまくることにします。
露天と内湯があり、どちらも一つずつ貸切風呂があります。
上の写真の右手前の暖簾が、内湯の貸切風呂です。
廊下をまっすぐ行った突き当りを左に進むと、内湯の大浴場になります。
内湯も露天も、時間による入れ替わりはありません。
廊下も見た感じお洒落なのですが、中もこれまたお洒落です。
小物を入れるロッカーキーが、籠の近くにあるのもいいですよね。
手前の大きな浴槽は適温に、奥の小さい浴槽は温めになっています。
そして小さい浴槽の横に、温泉のお湯で髪を洗えるようなスペースがあります。
お肌にいいお湯ということなので、髪洗いもぜひこのお湯で、ということのようです。
試しに洗ってみましたが、髪を洗うにはちょっとお湯が熱かったですw
める湯くらいの温度だと思って頭にざばんとぶっかけたら、うわっ!となりました。
こちらの泉質は、ナトリウム炭酸水素塩泉。無色透明で、さらりとしています。
ぬる湯があると、長く温泉に入っていられていいですね。
洗い場の真ん中には椅子が設けられていて、ここで休憩することもできます。
この日はほとんど他のお客さんとバッティングしなかったので、お風呂に交互に入ったりたまに椅子に腰かけたりして、だいぶ長い間温泉を楽しみました。
しかし、孫九郎のお湯のおもてなしはまだまだ続きます。
露天風呂がこれまたすごい。
スリッパをはき替えて、外に出ると露天風呂の小屋があります。
入口に、見学お断りの札があります。
うーん、見学したくなる人の気持ちがわかります。これだけ立派な露天風呂だもの、見てみたくなるよね。
この廊下の右から外に出るところがあって、庭へ続いています。
こちらも新しく、綺麗にお手入れされています。
露天風呂は3つあって、一つは露天だけど脱衣所の横の部屋にあって、屋根がついていて、部屋の中みたいな感じ。後の二つは外にあり、一つは完ぺきに屋根がついていて、もう一つは完ぺきに外です。
このお風呂につかりながら外を見ると、
この部屋の片隅に、そんなに大きくないアオダイショウちゃんがいました。
これがマムシやヤマカガシだったら私もひえっ!となりますが、アオダイショウは毒もないし、かわいいものです。
本人も場違いな場所に来たのを悟ったらしくて、慌てて踵を返して外の石垣の間に潜り込んでいきました。
薄い緑の濁りなのですが、写真だと光の関係で蒼くも見えます。
露天は単純泉になります。
外の広い露天風呂ほど、気持ちのいいものはありませんよね。お湯の温度も本当にちょうどよくて、空を見上げながらぼんやり入っていられます。
しかもこの日はさほど女性客が多くなかったようで、ほぼ貸し切り状態。
この広い露天を一人で独占できるのは贅沢でした。
お風呂上りに、贅沢な音浴をどうぞとのことで、この宿では贅沢な音響スペースがあります。
音楽が流れる空間、お風呂の後の体を休めるにはうってつけの空間です。
部屋中に満ちる、上質なスピーカーから流れる音。今はもう職人がいなくて生産中止のものなのだとか。
部屋の真ん中にあるスピーカーが高級なのは一目瞭然。やっぱり大きくて質の良いスピーカーは、家のちっぽけなスピーカーと比べると、圧倒的なクオリティの差があります。
お茶の提供とかあれば、もっとここでくつろぐことができるんでしょうが、コロナのためやってないようです。
これでお風呂上り、夜にここでウィスキーのロックでも飲めたら、めちゃめちゃ優雅なひと時な気がします。(コロナのせいで18時クローズでした)
この宿では、ここだけではなく、くつろげる空間がほかにも用意されています。
結局そのまま部屋に直行してしまうので、実際こういうところを利用しないことの方が多いのですが、それでもこういったスペースがあるというだけで、いい宿に来てるんだな~という気分になれます。
夕食は1階で。朝はフロントの横にある食事会場でしたが、夜はエレベーターの先にある場所でした。
こちらの味のあるおしながき。文字がかわいい。
友人が気になって尋ねたところ、女将の直筆なんだそうです。
これに合うのは、もちろん日本酒です。
飲み比べセットに目がない私。
いろんな味をちょこちょこ楽しめるの、最高!
山といえば山菜、川魚。定番を漏らすことなく提供してくれます。
かわふぐとは、飛騨地方でナマズのことなんだそうです。
ナマズをこんな風に食べたことはなかったけど、淡白で、フグっぽいと言われれば、そんな感じもするような。
こちらも味があっさりだけどしっかりついていて、おいしい。お酒にも合います。
和風なものが続いた時に、趣向を変えて登場したのがグラタン。
チーズでガツンと味を変えてくるの、いいですね。
昔訪れた宿でも、あっさりしたものが続いた後に、味のしっかりしたものが出てきて「このタイミング、わかってるなー」と感心した記憶があって、それを彷彿とさせました。
その後は、揚げ物、肉と、王道の流れです。
その辺りと同時に、五平餅が焼かれていました。
もちもちなものが大好きな友人が、喜んで食べていました。
美味しいんだけど~そろそろ私は、お腹がいっぱいに。
そこをさらに攻めてくるのが、本日のメイン。
ここは奥飛騨の宿。飛騨といえば誰でも知っている飛騨牛!
A5ランクの高級和牛が目の前に。サシがいい感じで入っていて、どこからどう見ても高級なお肉です。
こちらのお肉を、温泉しゃぶしゃぶにして、ポン酢でいただきました。
やわらかい~。
〆はご飯と味噌汁…と思ったら、麺でした。
お腹いっぱいだったので、麺の味を覚えてない…。
普通に、お味噌汁でいいのにな。最後にお味噌汁をすすって、ホッとするのが好きなんです。
白玉とあんことプリン…はいいとして……。
パセリ?これパセリ??
お前が何故ここにっ!?ほかに入れる場所なかったら、ここに入れたのかっ…!?
先に食べたけど、そんなに味は強くない気がしたけど……私的には斬新な組み合わせでした。
デザート自体の味はおいしかったと思います。(パセリが衝撃的すぎて、記憶があんまりない……)
で、翌朝までまた、力の限りお風呂を楽しみました。
見た目もおいしそうな朝ごはんです。
コンロには鮭と朴葉味噌があぶられていました。
この甘めのお味噌が、友人たちには好評でした。
いつもながらの朝とは思えないボリュームの朝ごはんと格闘し制覇した後は、至福のコーヒータイムが待っています。
とその前に。
友人が食事会場の奥にある、囲炉裏にちらりと視線を送ります。
何かが気になった様子。
それに気づいたお姉さんが、あの毛皮、触ってもいいですよと。
一番奥にあるのだけ、毛色が違うなぁ…と思っていたらお姉さんがにっこりと、
「それ、クマの毛皮です」
クマ!確かに色がツキノワグマ。触ってみると、他の毛皮よりもゴワゴワ感が強い…。家にあるムートンの手触りとはかなり違う。
「そのクマ、ここで飼われていたものなんです」
と、お姉さんはさらりと付け足します。
飼ってた!?クマを!?
以前はこの辺りでも何頭か、飼われていたのだとか。クマって飼えたのか~。
「毛皮の上に座って、写真お撮りしましょうか?」
お言葉に甘えて、各自毛皮の上に座って、お姉さんに写真を撮ってもらいました。
その後、お土産コーナーの横でコーヒーをもらいに。
ちゃんとドリップしてくれるもので、美味しかったです。
食後に美味しいコーヒーをもらえるのは、嬉しいポイント。
チェックアウト前に、売店でオリジナル石鹸を購入。
お風呂場に置いてあって、使ったら何となくいい感じがしたので、家でも試してみようかなと。
ちなみにフロントには、あの宮崎駿さんがここを訪れた写真がありました。
いい宿ですものね、ここは。
ということで。
とても居心地のいい宿でした。宿全体の雰囲気はいいし、温泉は露天内湯ともいつまでも浸かっていたい気持ちよさだし、部屋も綺麗、食事も悪くないし、お姉さんは親切。
また来たい!と思う宿は少ないのですが、この宿はまた訪れたい宿です。
コスパの点からいえば、ここはまあまあいいお値段なので、それに合ったサービスを提供している感じです。これだけ温泉があるのだから、そちらにも結構お金かかりそうですしね。
高くてもイマイチ…って宿はたくさんありますから、そこからすれば値段に見合ってるということは、いいことなんじゃないかなと思います。
帰りは諏訪大社でお参りをして、霧ヶ峰に。
この時期、ニッコウキスゲが見頃とのことだったので、寄らないのはもったいない!と、小雨降る中、行ってきました。
ニッコウキスゲは一日花で、今咲いているこの花は、今日しか咲いてないんだよ。と、ドヤ顔で知人に説明していたら、隣で聞いていたツアーで立ち寄っていたらしい女性が「あら、そうなのね」と、感心していました。
去年は霧ヶ峰のニッコウキスゲは大して咲いていませんでしたが、今年は十年に一度の当たり年だったようで、一面、本当に見事なニッコウキスゲの花畑でした。
なんか好きなんですよね、ニッコウキスゲ。
毎年どこかで、見たくなります。
今年はこんな素敵なニッコウキスゲの花畑が見られてラッキーでした。
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