リベンジ・燕岳【燕山荘泊】

リベンジ・燕岳【燕山荘泊】

今回は、どーしても、どーーーしても「晴れている燕岳」を見たかったので、はるばる安曇野まで行ってきました。

こんにちは。過去一ひどい筋肉痛で、二日間家から出られなかったmariです。
さて今回のターゲットは、登山者に人気の山、北アルプスの燕岳(つばくろだけ)。名前からしてカッコイイですよね。
燕岳は「アルプスの女王」と言われる山で、白い花崗岩が山肌に美しく映えて、優美な姿をしているからです。

一昨年この山に日帰りで登ったのですが、山頂に着く頃には辺り一面ガスってて、なーんにも景色が望めませんでした。

一昨年の様子。ガスガスでこの先の山頂なんて見えない

この年は南アルプスの女王と言われる仙丈ケ岳にも日帰りで行ったのですが、そちらも途中までは晴れていたけど、着く頃にはガスガスになっていて、山頂は五里霧中。
夏山はすぐに雲が上がってくるから、やっぱり晴れた山頂を見たいなら、朝早く山頂にいないとダメだ。ということを学習し、今回は燕山荘で一泊することにしました。燕山荘も、人気の山小屋ですよね。

朝の五時に家を出発して、穂高駅へ。
今は中房線が崩落していて、道路の復旧はお盆あたりということなので、路線バスでアクセスする必要があります。
この日は日曜日だったので、バスも一番本数の多いA運行+臨時便で、始発は穂高駅4:40です。(どうもこの日は始発に人が殺到しすぎて、始発より前からバスが出てた模様)

本当は始発に乗れるくらい早く行動できればいいんでしょうが、深夜に家を出るとかキツイので、8時台のバスに乗ることを目標に。
7時台のバスがあったら頑張るとこだけど、ないんですよね。
安曇野インターの近くのすきやで朝食を食べながら、登山者駐車場情報サイトをチェック。穂高駅のところは案の定満車で、有明神社の方も混雑。

有明神社からでもいいんだけど、もしバスが混んでて乗車拒否されたり(並んでる全員運ぶとは書いてあったけど)、座る席がバラバラになるのもな~。
と思案の末、穂高駅から乗ることに。どっちからでもバスの値段一緒だしね。
穂高駅の登山者用駐車場は満車だけど、近くに臨時駐車場があるらしいので、そっちなら絶対空いてるだろうということで。

臨時駐車場

はい、空いてました。(翌日帰る時には、登山者の車じゃない、お仕事関係の車で結構埋まってました)
バス停までの距離は、穂高駅登山者駐車場と同じくらいです。

駅のバス停に向かう途中、穂高神社を通るので、折角だからお参りも。

穂高神社

奥宮は上高地にあります。明神池は素敵ないい場所だから、また行きたいな~。

穂高駅に到着。

穂高駅
中房温泉行バス停

着いたんですが…。
私たち以外誰もいない。

あれ?あと10分もしないでバス来るはずなんだけど!?
乗る場所ここで合ってるよね…?合ってるよな…目の前に中房温泉行って書いてあるし…。

挙動不審になりながら待つこと数分。それと思しきバスが姿を見せました。

片道1,500円って、いい値段。
この時は結局、私たちより前に乗っていた二人と合わせて、終点まで四人でした。
始発が大混雑していたことなど露知らず、この時の私は、今日は燕岳登る人が少ないのかな~なんて、のんきに考えておりました。

崩落個所の手前で降ろされる

崩落現場より先にはシャトルバスが出ていて、中房温泉まで連れて行ってくれます。が、「なんでもう少し先までバスで連れて行ってくれないのー」と思うくらいには、まあまあ歩きます。

道路早く復旧してー
ここが件の崩落現場

シャトルバスに乗ってる間、有明荘や市営駐車場をチラ見しましたが、第一駐車場が市営じゃなくなって予約制の有料になってることにびっくり。調べてみたら一日3,000円だそうです。いい商売してるな。

ようやく中房温泉に到着。車でここまで来られないの、面倒~。
ここからやっと登山開始です。

燕山荘まではコースタイム約5時間。
ルート上には第1~3ベンチ、富士見ベンチ、合戦小屋など、休める場所は豊富にあるので、ところどころで休憩していきます。

第1ベンチ
第2ベンチ

余裕をかましてたのは、最初だけでした。

富士見ベンチの横で見つけたギンリョウソウ

この燕岳のルート、アルプス三大急登と言われてますが、そこまで急かと言われれば、そうでもないような気がしますが…。
なにぶん、標高が高いのですぐバテます。
一回くらい、アルプス行く前に、比較的近場で標高の高い金峰山あたりで身体を慣らしておこうと思っていたのですが、それもかなわずのぶっつけ本番。

特に第三ベンチくらいから合戦小屋までが体力をごっそり持っていかれました。地味に階段が多いのも、嫌らしいとこ。全体的に、危険な箇所がないのはいいんですけれど。
大量に汗をかき、立ち止まって風に吹かれて涼み、また歩き出す、を繰り返して、ようやく合戦小屋に到着。

合戦小屋

汗かいたし、水分補給!とくれば、ここの名物はスイカです。
スイカはカットしてもらえるので、半分に切ってもらって分けました。甘くておいしい~。

休憩したら再出発。
合戦小屋から先は比較的緩やかになるけれど、距離的にはまだまだあって、結構つらたんだった記憶が…。

歩き始めて空を見れば、すっかり雲に覆われて青空は見えなくなり、今にもポツポツ降ってきそう…。と思ったら降り始めた。
こんなに汗かいてて、これでカッパ着たら中が集中豪雨になるから、あんまり着たくないな~と、ザーザー降り始めたら着ることにしてそのまま進むことに。

天気予報通りだけど、こんなにしっかり当たらなくてもいいのに。と、天気予報に悪態をつきながら、燕山荘を目指します。
合戦小屋から歩くこと一時間、ようやく燕山荘に到着!中房温泉から5時間17分。
疲れた~!カッパはなんとか着ずに済みました。

燕山荘(翌朝撮影)

燕山荘は泊まるのは今回が初めてですが、前回来た時に食堂を利用させてもらってました。
まずはチェックイン。
確か入って右手にチェックイン機みたいなのがあって…って、あれ?ない。
その代わりに、フロントのお兄さんが「ご宿泊ですか」と、ニッコリ笑顔で聞いてくれました。機械から人力に戻った?

既にwebで予約しているので、署名だけし、翌日の行き先を聞かれて、チェックイン完了。お姉さんが部屋まで案内してくれました。

個室の安曇野

今回泊まるのは、個室の「安曇野」です。
ハイシーズンの燕山荘の個室(特に少人数)は超激戦ですが、たまたまキャンセルが出た所を取ることができました。
山小屋経験がほとんどない超山小屋初心者なので、まだ不慣れな所が多く、個室が取れたのはラッキーでした。

部屋の手前側には、三組の羽毛の掛布団と厚い毛布、敷布団と、枕、シーツが用意されてました。他に部屋には、鏡やハンガーもあります。
テーブルには200mlの緑茶と麦茶のペットボトル、カゴには飴などのお菓子が入っていました。

館内案内図

安曇野の部屋は、案内図の「本館2F」の指し示す部屋の、すぐ右上になります。
個室とはいえ、食堂の上にあるためか、消灯までずっとざわざわと人の話し声や何やらがしていました。
部屋を歩けば床がきしむし、部屋の鍵は掛けづらいし、目の前の廊下は人が良く通るので、個室でも静かではありませんでしたが、山小屋ではこんなものかもしれません。

トイレは本館の方が近いのですが、新館の方がキレイって話を聞いてましたので、私はずっと新館の方のトイレを使っていました。簡易水洗式なので、匂いもなくて山小屋のトイレにしては快適です。
洗面所では歯磨き粉禁止はともかく、節水のため顔を洗うのも禁止なのは、ちょっと驚きました。
でも、そういうところの方が多いみたいですね。以前泊まった白馬山荘は結構自由に水が使えたので、なんとなくそれが標準なのかと思ってました。

本館の蚕棚
本館と新館をつなぐ階段
新館の蚕棚

新館の方が余裕がある造りをしていました。高さもあります。
来る時のバスは混んでなかったし、今日は全体的に空いてるのかな~と思っていましたが、そんなことはなく、蚕棚のほとんどが宿泊客で埋まってました。

天気が良かったら、燕岳の山頂まで行くとか、外のベンチでのんびりいい景色の中でお茶を楽しむとか色々できたのですが、チェックインしてから本格的に雨が降り始めてきて、外に出ることもできず。
天気が天気だからか、少し寒くなってきて、持ってきたフリースが役に立ちました。

部屋でゴロゴロした後、折角だからお茶でも飲もうと、一階の喫茶サンルームでお茶をすることに。

喫茶スペース
ケーキセットは1,200円

コーヒーとショートケーキを注文。山小屋でケーキが食べられるなんてありがたいです。山の上にしては味もなかなか。疲れた身体に甘いものは元気が出ます。
可愛いお姉さんが、にっこりと給仕してくれました。

雨が少し止んできた
部屋の窓からの眺め 市街地方面

夕方になって雨が止み、雲が取れて景色が見られるようになって、宿泊客たちはこぞって外に飛び出します。

燕岳!

ようやく初めて、燕岳の全容を目にすることができました。
小屋の周りには、コマクサのお花畑もありました。

コマクサ畑

一際、人が集まっているところがあるなーと思ったら…。

雌の雷鳥

雷鳥の撮影大会をしていたので、私もそーっと近づいて撮らせてもらいました。日本の雷鳥は警戒心があまりないようで、結構近づいても逃げないですね。

さらに視線を遠くに転じれば。雲の向こうに槍ヶ岳が。

魔王城みたいな槍ヶ岳

燕岳からだと、槍ヶ岳も結構大きく見えるんですね。あそこにも登ってみたいものです。
しかし雲を従えた夕刻の槍ヶ岳の姿…あそこにラスボスがいる、魔王城みたいな風貌に見えます。

小屋の入り口に戻ってくると、今度は今度でみんなが頭上を見上げていました。

大きな虹

雷鳥やら虹やら色々見られて、一気にテンションが上がった夕方でした。

夕飯は2巡目の18:00から。この日は3回転してました。

ボリュームのある夕食

山小屋の食事にしては、ちゃんとしてて(?)豪華です。
野菜の量が多いのもポイント高し。
お味噌汁やお米などに、こだわりがあるようです。

食事中に燕山荘オーナーの赤沼さんが、山の話などをしてくれて、最後にホルンの演奏を聴かせてくれました。ホルンの音って予想よりだいぶ大きくて迫力がありました。
赤沼さんが山荘にいらっしゃる時にしか聴けないので、ラッキーです。

赤沼さんのホルンの演奏

お腹いっぱい食べて、部屋で少しお酒を飲んで。
消灯は20:30。廊下の明かりも消えて、常夜灯の薄暗い明かりに変わります。

それより少し前にお布団に潜り込んだのですが、私はなかなか寝付けませんでした。
もともと普通の旅行でも、すぐに寝付けないタイプなので、夜中に何度も目を覚ましてはウトウトしてを繰り返してるうちに、何時だったか…3時半?4時くらい?常夜灯から普通の明かりに切り替わって、部屋の扉のガラス越しに電球の明かりが差し込んできました。

外したアイマスクをつけなおして、もう一度寝ようと思っていたら、周囲が既にざわざわし始めてます。
山小屋って、早朝はもう少し静かにみんな行動するのかと思ってたけど、廊下はバタバタ歩く音がするし、本館の大部屋からは人の話し声が聞こえてきました。

結局寝れずに、仕方なく起きだし、することもないので窓から外を眺めていました。この部屋からだと、ちょうど日の出が見られそう。

外を見れば日の出を見ようとする人がちらほら見えますが、私は無精して部屋の窓から。窓を開けて眺めていると、早朝の冷たい空気が入ってきて寒いです。
待つことしばらく、雲の絨毯の上から、朝日が燦然と登場です。

日の出

それから朝ごはん。朝ごはんの時間は自分で選べるので、一番遅い5:40にしました。

朝ごはん

この他に梅干しの瓶があって、梅干しは食べ放題です。野沢菜おいし~。

朝ごはんもしっかり食べて、身支度を整えて、チェックアウト。
お姉さんたちが、「ありがとうございましたー!」と、送り出してくれました。

お世話になりました

山小屋はキレイだし、スタッフの皆さんはニコニコ接客してくれて、さすが泊まって良かった山小屋上位に選ばれるだけはあります。

燕山荘から一歩外に出ると、そこには晴れ渡った空の下に、優美な姿の燕岳が。

朝の燕岳

朝の爽やかな光に、燕岳がめちゃめちゃ綺麗です。美しーい!
これ!この景色が見たかった~!見られてよかった!

荷物は小屋の横に置いて、サコッシュ一つで山頂目指します。往復一時間くらいです。

少し歩くと、有名なイルカ岩がお出迎え。

イルカの奥には槍ヶ岳

これはホントにイルカですね~。
昨日の足の疲れがまだ取れてないのと、標高が高いのですぐ息が上がるので、ちょっと歩いただけで疲れます。いや…今からこれで、帰りどうするん。

市街地側は雲海に
こちらも名物、眼鏡岩

ゆっくり歩いて、山頂に到着。

山頂到着

少し雲が上がってきましたが、山頂から北燕岳方面の眺めが美しいです。

北燕岳方面

念願かなって、ようやく晴れた日の燕岳に登ることができました。

小屋まで戻ってザックを回収して、いよいよ下山。
あっという間だったな~ここまでは。そして、帰り道はまた長いんだろうなー。

つらつらとそんなことを考えていたら、登山道に雷鳥のヒナたちが歩いていました。

雷鳥のヒナ

可愛いヒナたちに見送られて、本格的に下山開始です。

最初は調子よく飛ばしていたんですが、荷物は重いし、階段はあるしで、足が段々ボロボロになってきて、第2ベンチ付近ではもうヘロヘロでした。
山頂往復含め大体5時間くらいかかって中房温泉に到着した時には、生まれたての小鹿のようにプルプルヨロヨロで、見るも無残な姿に…。
な、なんとかたどり着いたけど…きつすぎる~。

バスの時間まではまだ余裕があったので、中房温泉の日帰り風呂に入って汗を流しました。ここの温泉は源泉掛け流しで、お湯を肌に滑らせるとぬるりとする、いいお湯でした。
お風呂上りに、ソフトクリームを購入。

「すぐ溶けちゃうから気をつけてね」と、渡されたソフトクリームは、疲れた身体に沁みわたって、めちゃくちゃ美味しかったです。
すぐ溶けると言うあたり、混ぜ物の少ないソフトクリームなのかも。
すぐ溶けるソフトクリーム=美味しいというのが、最近の私の見解です。

バスに揺られて、車までたどり着き、お腹がペコペコだったのでお昼を食べに行くことに。安曇野と言えば蕎麦でしょ!ということで、バスに乗ってる時見えた、車が一杯とまっていたお蕎麦屋さんになだれ込みます。

そば処 双葉
双葉セット 生蕎麦+ソースカツ丼(1,650円)

セットだから各々少な目と聞いていたけど、カツが普通のカツのサイズでびっくり。肉は普通にトンカツの厚さだし。(確かにご飯は少なめだったけど)
思ってたより量があるので、途中から食べきれるかな~とちょっと焦りながらも、なんとか完食。
お蕎麦もカツもおいしかったです~。刺身こんにゃくも、なすもおいしかった!

山とご飯に満足して、帰宅の途に。
足がボロボロになったけど、楽しかったです。

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