山好きには超有名な、北アルプスの名峰「槍ヶ岳」に挑戦してきた

山好きには超有名な、北アルプスの名峰「槍ヶ岳」に挑戦してきた

槍ヶ岳は、多くの登山者の憧れの山の一つで、私もいつか登ってみたいと何年も前から思ってました。
今回ようやく念願かなって、登頂することができました!

数年前に日本アルプス(以下はアルプス)デビューをした頃は、アルプスの女王と言われる燕岳に日帰り登山したけど、山頂はガスガスで何も見えずに下山。次に南アルプスの女王と言われる仙丈ケ岳に日帰りで行ったけど、ここも最初は晴れていたけど山頂に着く頃にはガスガスで何にも見えなかったという、いったい何のためにお金と時間をかけて行ったのか…と、苦い思い出があります。

翌年はそういうのは嫌だから、天気予報をしっかりチェックしたけど、私が使っている登山天気のアプリでAやB判定(登山に適した天気)が出ることがアルプスでは稀すぎて、自分の行けるタイミングと合わなくてその年は終わり…。

で、今年。
日帰りで山頂に着くと昼くらいになるから、そうするとガスガスになる確率が高い。昼から天気が崩れるのはもう仕方ないとして、日帰りはやめて山小屋泊にして、翌朝晴れてれる予報なら行こう!(そうしないといつになっても行けない)
という方針に。

とはいえ、槍ヶ岳は2泊3日の行程で、天気予報はコロコロ変わるから運要素も結構ある気が…。
まあ、もし今回、結局天気に恵まれなかったら、また来年…?
そんな感じで山小屋を押さえ、あとは天気がいいことを祈るばかりだったんだけど、予報を見る限り、今回はまさかの天気が良さげ…?
天気予報のままならワンチャン、槍ヶ岳からいい景色が見られるかも。

そんな淡い期待を抱きながらの、登山当日。
朝4時半に東京を出て、8時半に市営第2駐車場に到着。

車は結構いっぱい

支度を済ませて、歩いてさわんどバスターミナルまで。
上高地までバスのチケットを購入。往復で2,800円で、チケットは1週間有効とのこと。

ナショナルパークゲート
バス乗り場

この日はお盆最終日の日曜日で、もっと混んでるかな~と思ってましたが、9時の便と少し早かったせいか、そこまでではありませんでした。

車内の様子

30分ほどで、上高地バスターミナルに到着。時刻は9:30。

上高地バスターミナル

ここから少し歩けば、河童橋になります。

河童橋

橋には人がぎっしりです。
上高地には数年前に来たのですが、その時にもまして、人が増えたような印象。

梓川の清流

しばらくは観光ルートを歩いて行きます。

歩きやすい道
山もくっきり
熊鈴ならぬ熊ベル

このベルが結構すごい音がしました。カーンカーン!
でも最近の熊はこれで逃げていくのかな?

道は坂らしい坂もなくて歩きやすいのですが、日帰り登山と違って小屋泊だとその分ザックが重いので、足取りも軽やかとはいきません。
ザックは8kgちょいなので、そこまで重いわけではないんですが、日ごろ背負い慣れてるわけではないので、やっぱり重く感じます。

10:30。上高地バスターミナルから約1時間歩いて、ようやく明神館に到着。

明神館
穂高奥宮参道

明神池に穂高神社の奥社があるので、お参りに。
といっても、ここからまだ800mくらいある模様。

無事に行って帰ってこられますように

観光で周回コースの時は、お金を払って明神池まで行くのですが、今回はそこまで余裕はないので、明神館まで引き返して先を行きます。

魚ものんびり

明神館から先は登山道になります。
とはいえまだまだ歩きやすいです。

12:00徳澤園に到着。
徳澤園は山小屋とはいえないくらいお洒落で、一度泊まってみたいところです。

徳澤園

ここでお昼に。私はカレーを、友人は高菜チャーハンを。

カレー

カレーはよかったですが、チャーハンは中華料理店で食べられるようなものを期待してはいけなかったようですw(でもなんでチャーハンは15分くらいかかりますって、但し書きがあったんだろう)

徳澤園のすぐ横にあるトイレを利用しましたが、なんとウォシュレット付きで清潔!びっくり~。これで100円なら安いものです。帰りにここを利用した友人も称賛してました。

お腹も満たされたので、出発~。
13:30に横尾山荘に到着。山荘手前にある小屋で登山届を書いて先を急ぎます。

この時吊り橋を渡って涸沢方面に行きかけましたが、途中で気づいて戻ってきました。あぶない…。
目的地の槍沢は、橋を渡らずにそのまま直進でした。
今日の目的地の槍沢ロッヂは、まだまだです…。

道の横にはこんな涼し気な景色

段々と、奥地に入っていくような景色になります。

段々上り調子になってきて、ザックは重いし、休み休み歩くこと2時間。ようやく槍沢ロッジが見えてきた。
15:40槍沢ロッヂに到着です。
ホントは3時前についてるだろうと思ってたけど、見立てが甘かった…。

槍沢ロッヂ

チェックインして、部屋に向かいます。この日は、個室の「らいちょう」に泊まりました。

館内図
個室「らいちょう」

部屋にはお布団が用意されていて、あとはハンガーがあるくらいです。

先月泊まった燕山荘個室のお布団は薄くて背中痛いなーと思っていたから、ここのはどうなんだろう?とちょっと心配でしたが、大丈夫でした。
掛布団もちょうどよい厚さでした。枕がそんなに高くなかったのも助かりました。

部屋の鍵は外側からしかかからないので、外からいたずらされたら中に閉じ込められますw
そっかー、燕山荘の個室みたいに部屋の鍵をくれる方が、もしかしたら山小屋的には例外なのかも。
あと、部屋の明かりのスイッチがなかったです。消灯時間には勝手に消灯してくれるけど、まだ少し寝ていたい時刻なのに明かりが自動的に点くわけで。
アイマスクは持ってきたので、大丈夫と言えば大丈夫ですが。

槍沢ロッヂには、山小屋にしては珍しくお風呂がついているのですが、シャワーはなくて貯めたお風呂のお湯を使えるだけなので、早く入らないとお湯がだんだん汚れてきます。もちろん、せっけんやシャンプーは使用禁止です。シャワーはないけど、水の出る水道はお風呂場に一つあります。

お風呂

そういう理由もあって本当は3時前にチェックインしたかったんですが、遅くなってしまったものは仕方ありません。
すぐにお風呂に入りに行ったんですが、既に湯舟にはちゃんと身体を洗ってから入らなかった人がいたのか、何か浮いてました。

それでも湯舟にはちょっと入りたかったので、備え付けられていた網で浮いてるものを掬って、湯船に浸かってました。
最後に、桶にためた水道の水を何度か被ってから出ました。これでさっぱり。
普通はお風呂を望めない山小屋で、少しは汗を流せたのでよかったです。

ちなみにお風呂の時間以外は、洗面所として利用できますが、飲用として使う水ではないようです。飲み水は、ロッヂを出た所にある水場で汲みます。

部屋に戻ると、窓の下、外では中国人たちがビールを飲みながら陽気に騒いでいました。こんなところにも来るんだなぁ。

槍沢ロッヂの個室は2階の隅に2部屋だけで、あとは相部屋になっています。

2階の廊下
蚕棚
屋根裏
蚕棚じゃないところも
談話室
1階 充電が一杯

ここでは充電は無料なんですね。

トイレと乾燥室は少し離れた所に

トイレは簡易水洗なので、匂わなくていいです。使った紙は流さずに、箱に入れます。
トイレのドアを開ける時に、取っ手を上に上げないといけないというのが、ちょっと戸惑いました。

1階の売店には、お酒やらお菓子やらが売っています。

ジュースは400円くらいのものが多い
350mlは600円、500mlは900円

夕飯はチェックインが遅かったので、2巡目です。
折角だから売店でご当地ビールを買って、ご飯のおともに。

夕飯

今日はずっと野菜不足だったので、キャベツの千切りが盛られていたのが嬉しかったです。お肉とお魚でタンパク質もしっかり摂れます。野菜も人参やカボチャと、栄養のあるものが並んでいるのもいいですね。
ごちそうさまでした。

1階の食堂横には、翌日の天気予報が掲示されています。多分ヤマテンかな。
明日も午前中は天気良くて、昼過ぎからガスがかかる予報。山の天気あるあるのやつです。雨は降らなさそうなので、一安心。

消灯は8時。
深夜にトイレに行きたくなって、常夜灯の明かりを頼りにトイレに行きました。廊下に戻って、ふと振り返ったら真後ろに人が立っていて、滅茶苦茶ビビりました。同じくトイレに行きたい人だったようです。
で、朝の3時過ぎにはやはりこちらの山小屋でも、ゴソゴソと人の気配が。
それでも個室が建物の隅にあることもあって、廊下を歩く振動などはそこまで気にならなかったです。

とはとはいえ、家で寝ていても震度2の地震が来れば目が覚める私にとっては、3時すぎに起きてしまうわけで。物音もいろいろと聞こえてくるし。

しばらく横になっていたけど、1巡目の朝食が始まる頃に、身支度を整えて槍沢ロッヂを出ました。
今日はいよいよ槍ヶ岳山荘まで登ります。
まずはロッヂの外のテーブルで、昨日もらったお弁当を食べます。

本当はロッヂで朝食を食べてから出たかったんだけど、2巡目の朝食が6時からとのこと。6時には槍沢ロッヂを出発したかったので、お弁当に変えてもらいました。

お寿司

インスタント味噌汁は持参していたので、ロッヂでお湯をもらってお寿司と一緒にいただきます。槍沢ロッヂは、無料でお茶とお湯をいただけるのが素敵です。
外は肌寒かったので、お味噌汁が温かくてホッとします。
朝からこのお寿司を全部食べきることはできなかったので、残りは途中で食べました。

というわけで、6時に槍沢ロッヂを出発。今日は槍沢ロッヂの標高1,820mから槍ヶ岳山荘3,080mまで、一気に標高を上げていきます。
遅くても、12時には着いてるんじゃないかなという計算。

頑張るぞー

とはいえリュックは相変わらず重い。

ババ平

6:40、ババ平キャンプ場に到着。
まだまだ始まったばかり。ここで着ていた上着を脱いだりして、先に進みます。

大岩沢

しばらくは川の横、日陰の道を歩きます。
前を歩いていたオジサマたちが「これはブルーベリーだ」と言ってつまんでいたけど、この辺りにブルーベリーなんてないよねぇ…?何の実だろう。

やがて景色が開けてきて、日陰もなくなってきて、槍ヶ岳山荘まではずっとお日様の下を歩くことになります。
しかも今日は、昨日にもましていい天気!これは日に焼ける~。

そろそろ日焼けゾーンに突入

昨日横尾で登山届出した時にお姉さんが、陽にあたるから水は多めに持って行ってねと言われていたので、ぼちぼち水は持ってきました。

槍ヶ岳は山の間に隠れていて、まだ姿が見えません。
いつ見えるんだろうな~。

景色もだんだん変わってきた

そんなことを考えながら歩いていると、最終水場に到着。

最終水場

普通水場って、パイプが刺してあってそこから水が流れ落ちてたりするんですけど、ここはワイルドに岩の間から湧きだした水をそのまま汲みます。みんなここで休憩がてら、水を補給してました。
この水が、すごい柔らかくて美味しいかったです。
とはいえ生水なので、自己責任で。

槍沢ロッヂから出発して3時間15分。
ついについに、槍が姿を現してくれました。

槍!

槍の穂先が見えた!
ようやく槍が拝めた~!
一発でわかる槍ヶ岳は、やはり北アルプスのアイコン的存在ですね。

テンションは上がりますが、写真でもわかるように、まだまだ槍はだいぶ遠くに見えます。
あそこまで行かにゃいけん…。
ここからが地獄の始まりでした。

登りはきつくなるし、標高もだいぶ上がってきているので、すぐに息が切れて、少し登っては休憩の繰り返しになります。なのでなかなか進まない。
見えても遠い槍ヶ岳…。

岩には白いペンキで、あと1500mで山荘に着くよ~と、100m単位くらいで距離が書かれているのですが、それを目安に100m進んでは休み、を繰り返していました。急ぎたい気持ちはあるけど、高山病とかの心配もあるので、あまり無理せずに進みます。

最後の辺りは、もう無になって歩いてました。マジでキツイこれ…。
11:45、槍ヶ岳山荘到着。何とか無事にたどり着けました。
とっくにヘトヘトです。

槍ヶ岳山荘

山荘のチェックインもできるようだったので、さっそくチェックイン。
この日は個室の「大槍」に泊まりました。
この部屋の醍醐味は、窓から槍ヶ岳が見えるところです。最高です。

大槍

槍ヶ岳山荘の個室は、ハンガーもなくて、本当にシンプルな個室でした。
ただこちらには、部屋の明かりを消せるスイッチがあったのと、部屋の内部から鍵をかけることができました。こちらは中から掛けられるんですね。
備え付けの棚が意外と便利で、荷物整理に重宝しました。

部屋の隅に、髪の毛や埃が落ちてたので、槍沢ロッヂの方がキレイに掃除してるにかな~。旅館じゃないから少しの髪の毛はともかく、そんな家具もないのに埃…?

寝具はミズノ製一式と、何かこだわりを感じるところです。
実際なかなか快適な寝心地でした。

館内図

トイレはバイオトイレなので、匂いはあります。めちゃくちゃきついとかではないですが、敏感な人には少し大変です。
よくある便器の手前は小、奥は大みたいな作りになっているのですが、誰かポジション取りに失敗して、小の滑り台の部分に大が転がってたりして、びっくりすることも…。

充電コーナー
蚕棚

まずはお昼時なので、喫茶コーナーでラーメンを注文。

ラーメン 1,500円

塩分が欲しかったので、このラーメン、めっちゃ美味しくいただきました。
友人はカレーを頼んでいて、お互いシェアしたのですが、友人はラーメンのスープを飲み干してました。
汗かいたもんね~。

私たちが泊まった部屋の斜め前の大部屋が、中国人ご一行で、チェックインしてから大声で話していていうるさい…。うーん…この部屋割りはハズレだったかなぁ、なんて思っていたけど、うるさかったのはその時だけで、後は静かだったので助かりました。

部屋で少し休憩をして、ちらちらと外の空模様を確認。
昼前からガスることが多い夏のアルプスで、今日は何と、昼過ぎてもめっちゃいいお天気で、ガスる気配がありません。
これは行ける!ということで、ヘルメットを被ってアタックザックをつかんで、山頂アタックに。

目の前に山頂はあるけど、槍ヶ岳山荘から往復一時間ほどかかります。
しかもこの部分だけは、岩登りが必要で、鎖やら梯子やらが待ち構えています。

目の前に槍の穂先
アタック開始

既にこの時点で、少し登っただけで、足がめちゃくちゃ疲れているのが分かります。行けるんかな~これ。と、多少心配ながらも、岩場に取り付きます。
道はペンキで矢印が書かれているので、それを頼りに進みます。

慎重に

一応、足場を見つければ何とかなる岩場ではあります。
友人は頭を上げた際に、上にある岩に頭を打ち付けていたので、ヘルメットをしてなかったら危なかったです。滑落時だけじゃなくて、こういう時にもヘルメットって役に立つんですね。頭の代わりにヘルメットが凹んでました。

岩場は三点支持~、三点支持だよー。と、自分に言い聞かせ。慎重にゆっくり急がない。
最後にダブルの垂直の梯子を上って、山頂に到着!
ついたー!きたーーー!!ついにきたー!
最初は足が疲れててどうなることかと思いましたが、岩場だと手も使ったので、そこまで足にきませんでした。
山頂は狭くて十数人いたら、もう一杯になる広さです。

山頂!
槍ヶ岳登頂~!

まさか自分が槍ヶ岳に登ることができるとは。
山頂からの展望は、360度の大パノラマです。

眼下には槍ヶ岳山荘

先に山頂についてた人が、何度か槍に登ったけど、今日の天気はとってもいいと言ってました。

折角苦労してここまでたどり着いて登ってきて、しかもめちゃくちゃいいお天気に恵まれたので、本当はのんびりここの景色を楽しんで、目に焼きつけたかったです。が、後から人がどんどん上ってくるので、後ろ髪を引かれながらも、下りることに。
下りの方がやっぱりちょっと怖いですね。足が届かなかったり。

帰りも慎重に
無事下りられた

そんなこんなで山荘の部屋に戻ってくると、スイーツができました、の館内アナウンスが。槍ヶ岳山荘では2時からスイーツタイムなんですね。
プリンとかなんかあるみたい。
お腹が空いていたら食べようかな~と思っていたんだけど、ラーメン食べてそんなに時間がたってなかったのと、夕飯が一巡目の5時からなので、今食べたら夕飯が入らなくなりそうなので、見送りました。

夕食までの時間は、缶チューハイ買ってきて、部屋でゴロゴロ。時々うたたね。
ん~やっぱり今日は疲れたなー。
窓から外を眺めれば、外のベンチに座ってお酒を飲みながら槍ヶ岳を楽しむ人、今から登る人など、賑わいを見せています。

外に出ずとも、窓から外を見れば、槍の姿が見られることに大満足です。

何度見てもイイ

そろそろ夕食の時間ということで、地下の食堂に行きますが、二階の階段まで夕食の行列ができてました。

夕食は酢豚

槍ヶ岳の夕食と言ったら、エビチリや春巻きといった中華セットなんだと思ってましたが、この日は酢豚でした。
しっかりご飯をお代わりして、お腹いっぱいになりました。
ごちそう様です。

夕食も終わると、そろそろ夕暮れになってきたので、カメラ片手に外に出ました。昼間は16度くらいあった気温も、この頃には10度近くまで下がってきて寒いです。みんなダウンなどを着て外に出ていました。

槍ヶ岳も夕日に照らされて、昼間とは違った雰囲気です。
山頂から日の入りを見ようと、登っている人も見えました。

夕映えの槍ヶ岳

寒さに震えながら、日の入りを待つこと十数分。

めっちゃ雰囲気ある写真が撮れた!スマホのカメラも侮れない。
自画自賛。実際見るより綺麗に撮れてるとは。
こんな景色が撮れるのも、山に登って山に泊まるからこそですね。

お酒飲んで就寝。
友人が軽く高山病になったみたいで、夜中起き出してました。寝ると呼吸が浅くなるので、高山病の症状が出やすいんだそうです。
友人がトイレに行った際、吐いている人を見たということで、さすがに標高3,000mを超えると、そういう人も増えるんですね。
幸い、私は高山病にはなりませんでした。

が、また、午前3時過ぎに廊下をドシドシ歩く振動で叩き起こされます。もーすこし寝てたいのに、みんな何故踵着地で歩く…。
仕方ないからしばらくお布団にくるまっていたものの起き出して、窓の外を眺めてみれば、そろそろ日が昇ろうとしています。

茜色の空

真ん中より少し右側に富士山が見えました。
槍ヶ岳からだと、だいぶ小さく見えるんですね~。でも富士山は一目で、富士山と分かります。

朝ごはんは一巡目の5時から。

あさごはん

朝は早すぎて、お腹は全然空いてなかったのですが、本日の行程を考えたら絶対に食べておいた方がいいので、詰め込みました。
さつまいもと柑橘の何かの煮物が、甘くておいしかったです。
そういえば食堂の脇に、お湯が売られていました。こちらではお湯は有料なんですね。

食事も終えて、荷物を整理していたら「パンが焼きあがりました」との館内アナウンスが。
そういえばここの焼き立てパン有名もだったな~と思いつつ、お腹が減ってなくて朝ごはんを詰め込んだ状態だったので、買う気になれず…。スイーツもパンも、もう少し元気だったら買いに行きたかったなー。

6時にチェックアウト。
これから2日かけて歩いてきた行程を、1日で一気に下ります。

朝のロビーは賑やか
バイバイ槍ヶ岳

いきなりまあまあ急な下りが始まるので、持ってきたストックを使ってゆっくり下ります。前回燕岳の下山で調子に乗って飛ばしたら、後半ひどい目にあったので、今回はゆっくりめに下りることにしました。先は長いし、ここでバテるわけにはいかないです。
3日目にしてようやく身体が慣れたのか、ザックの重さがマシになりました。

少し下ってきて、振り返れば槍ヶ岳はもう結構小さくなってました。
登る時はあんなに苦労したのにねー…。

下山開始20分
下山開始45分

とりあえず、槍ヶ岳を開山した播隆上人がねぐらにした播隆窟付近で、いったん休憩。

播隆窟

それからはカメラも閉まって、ひたすら下山下山。
まずは槍沢ロッヂを目指します。
槍ヶ岳はほどなく見えなくなり、清流の横をずーっと歩いて行きます。

ババ平キャンプ場に到着しても、槍沢ロッヂはまだ少し先…。キャンプ場過ぎたんだし、そろそろ槍沢ロッヂが見えてきてもいいんじゃないか、と、心の中で十数回繰り返したころに、ようやく見えてきました。
9:15。出発から3時間20分で槍沢ロッヂに到着。

朝食べたくせに、何故か少しお腹が空いてきたので、持ってきたカップラーメンを食します。スープを捨てるわけにもいかないので、頑張ってできるだけ飲む。
友人はしれっと完食してました。

槍沢ロッヂまで来たし、あとは1日目の行程をたどるのみ…。だけど、これがまた長い…。でも、ここから横尾山荘の間に流れる川の流れはとっても綺麗で、めちゃくちゃ澄んでいて美しいな~と、何度も見惚れてました。

自然がホント綺麗

11:15横尾山荘。
槍ヶ岳山荘出発から5時間15分。やっとここまできた…。
横尾山荘でソフトクリーム売ってたら食べようと思ったんだけど、なかったら、炭酸ジュースを購入。
それでもここで飲むジュースは、めちゃくちゃ美味しく感じる。これもごちそう。

次は徳澤園だ~。
ということで、このあたりから道は歩きやすくなり、お散歩コースになります。
12:30徳澤園。横尾山荘から1時間。槍ヶ岳山荘からは、6時間半。
到着。
ここで絶対アイス食べる!行きにソフトクリームって書いてあるの見た!!
友人はソフトクリーム、私はコーヒーソフトを買って、至福のひと時。

徳澤園のソフト

ここのも悪くないけど、でも、この間食べた中房温泉のソフトクリーム、めちゃくちゃ美味しかったな~。と、思い出したり。

ここまできたら、上高地まではあともうひと踏ん張り。
このあたりはもう平坦と同じなので、楽といえば楽です。長いんですけどね…。
徳澤園から50分ほどで明神館に到着。ここで観光コースと合流です。

明神館前のベンチで再び炭酸ジュースを補給して、あとはひたすら上高地バスターミナルまで歩くのみ。っていうか、明神館の自販機のところにゴミ箱なかったんだけど、みんな飲み切ったペットボトルとか缶をどうしてるんだろう…?ゴミは持ち帰ってねって張り紙あったけど。
山小屋でも、そこで買った分くらいは回収してくれるのに。まさか…ね?
持ち帰りましたが。

観光ルートに乗ったから、あとは余裕~!ってなこともなく、疲れてる身体にじんわりと追い打ちがかかっていく。
疲れてくると先が待ち遠しくなるもので、
バスターミナルまだかなー?そろそろだよね?
あーそうだ、まだ小梨平キャンプ場があるじゃん~!
とか、表面上は余裕の体裁を取り繕いながらも、心の中の声がやかましい。

とはいえ、小梨平キャンプ場まで来たら、ほぼほぼ着いたも同じ。

河童橋まで戻ってきた

14:50、槍ヶ岳山荘から約9時間。
上高地バスターミナルに到着!
もっと時間かかるかと思ったー。よかったよかった。
体力も使い果たしてヘロヘロよりは、50m走れるくらいの余力を残してのゴールです。

バスターミナルは大行列ができていて、増便連発して、時刻表とか関係ない感じでした。
バスを3本ほど見送ってからようやく乗ることができて、駐車場まで戻ってくることができました。

帰り道、せせらぎの湯で、身体をきれいさっぱり洗い清めます。

せせらぎの湯

まずシャワーをひねって、お湯が勢いよく流れ出ることに感動します。
下界に戻って来たんだなー!と感慨ひとしおです。
シャンプーで髪を洗うと、全然泡立たないです。…ですよねー。
ひとしきり身体を洗い終えて、ようやく人間に戻ったような気分になりました。

温泉もアルカリ性のぬるりとしたお湯で、気持ちよかったです。ぬるりとしているため、床を歩いて滑りそうになりました。
内は循環、外は掛け流し、ということで、露天に入りましたが、入って10秒も経たないうちにアブがまとわりついてきたので、露天は断念しました。
アブがいたら全然ゆっくり入れないしね…。それなら循環でも内湯でいいです。

山を楽しみ、お風呂を楽しみ、帰宅の途に。
3日間、連日奇跡的にお天気に恵まれ、記憶に残るであろう素晴らしい山行ができて、大変だったけど楽しかったです。

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