夕方インペリアルホテルを出てバスに乗り込み、台北屈指の人気観光スポット九份(きゅうふん)へ。
九份は日本統治時代の色合いを強く残す町並みが残っていて、多くの観光客をひきつけています。
九份は「9つ分」という意味で、昔はここに9世帯しか住んでおらず、下の街まで買い出しに行く時は、そのうちの世帯の誰かが代表して買い物に行き、「9つ分ください」と言って買い物をしたので、下の町の人から「九份」と言われるようになったんだそうです。
その後、ここでは金が発掘され、金を求めて人が殺到し、日本統治時代に九份は最盛期を迎えます。その後は段々寂れてきてしまったのですが、台湾で大ヒットした映画「悲情城市 (A City of Sadness)」(侯孝賢監督)や「千と千尋の神隠し」で舞台となったということで、観光客で賑わうようになったのです。
金山自体は、1971年に閉山されたそうです。
「悲情城市」は、二・二八事件(中国共産党が台湾人を虐殺する「白色テロ」のきっかけとなった)を取り上げた映画で、当初台湾国内では上映禁止になったのですが、ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞を受賞して有名になり、それから台湾でも上映されるようになって大ヒットしたんだそうです。
上映禁止になっていたということで、秘密を除きたいと思う人たちの興味を誘ったんでしょうね、とガイドさんは言っていました。
九份は「千と千尋の神隠し」の舞台になったと言われていますが、これはジブリから公式に否定されています。
とはいえ確かに、赤ちょうちんがいっぱいぶら下がっている光景は、千と千尋の両親がガツガツ食べて豚になった店のあたりの街並みを彷彿とさせますよね。
高速に乗って一時間ちょっとで九份に到着。
この日は土曜日で、土日は混雑ゆえか九份のすぐ手前までバスを乗り入れることができず、下の駐車場でバスを降りて、無料の送迎バスで九份の入り口まで行きます。
九份の派出所の横には、細い階段が上に上にずーっと続いています。一番上にある小学校までは、300段くらいあるとガイドさんは言っていました。
途中階段を横切るように二本細い道が通っていて、その内上の方にある横道沿いに、多くのお店が並んでいて、九份の雰囲気を満喫できます。
派出所から階段を上ってしばらくは、左右にお店が並ぶくらいで、まだ九份の雰囲気はさほど感じませんが、真ん中くらいまで上がってくると、千と千尋の湯婆婆の屋敷のモデルとなったんじゃないかと言われている「阿妹茶樓(あめおちや)」が見えてきます。
九份で有名なお茶屋はいくつかありますが、中でもこの阿妹茶樓(あめおちや)と九份茶房でしょうか。
九份茶房の方が老舗でお値段も高めだそうで、こちらは烏龍茶のチーズケーキが美味しいんだそうです。
ガイドさんがまだこの時間(日の入り30分くらい前)は人が少ないから、お茶をするなら今のうちですよとのことだったので、阿妹茶樓(あめおちや)でお茶を飲みました。
日本語が普通に通じます(´∀`)
結構盛況で、二階のテラスじゃない方の丸い席に通されました。
冷たいお茶と温かいお茶を選ぶことができて、温かい方のお茶はまず店員さんがお茶の淹れ方の見本を見せてくれるので、二杯目からは自分たちで淹れます。
まず茶葉を入れお湯を淹れたら、そのお湯はすぐに捨てて茶葉の汚れを流し、新たにお湯を注ぎます。
そこに又お湯を注ぎ、色が出なくなるまでその茶葉で楽しむことができるのですが、抽出時間はだんだん長くなります。前回の抽出時間より10秒くらい増やせばいいようです。
木の台の上の湯呑み茶碗の中に、もう一つ細長い湯呑みがありますが、最初の一杯目はその細長い湯呑みにお茶を入れて、その上に背丈の低い湯呑みをかぶせ蓋をしてから上下逆さにして、背の低い方の湯呑みにお茶を移します。空になった背の高い湯呑みは、お茶の香りを楽しむためのものであるらしく、くんくんと匂いを嗅いで「なるほど~」という顔をすればいいのです。
日も暮れると、阿妹茶樓(あめおちや)周辺は提灯の灯りに火がともって、とってもいい雰囲気に。
阿妹茶樓(あめおちや)の少し先の横道は、小さなお店がぎっしり並んでいてとても賑やか。
食べ物、お土産など、たくさんのお店が密集しています。
日本じゃなかなか見ることのなさそうな、ワイルドな物なども売ってました。
そしてこちらの食べ物で、超有名なアレももちろんありました!
くっさ!!!!お腹いっぱいの時に嗅いだら、食べた物全てをリバースしそう!
このお店だけではなく、その周囲にも強烈な臭いを放ちまくっています。
臭豆腐は挙げたものが一番匂いも少なく食べやすいんだそうですが、その真逆を行くのがこの煮込んだ臭豆腐です。
私は旅行中食べなかったのですが、最終日に友達が夜市でチャレンジしたようで、臭いはまあひどいけど、そこそこ食べられると言っていました。
他にも、揚げたえびせんべいや、イカのから揚げや、巨大なエリンギなど、美味しいものがたくさん。
台北では雨が降っていなかったのですが、九份に着くころには小雨がぱらつき、日が暮れるころには結構な雨が降ってきました。
九份は山間部で天気が変わりやすく、更に近くには海が温かい風を運んでくる関係で、雨が多いんだそうです。冬はほぼ毎日雨のだとか。ここに持っていくなら、傘よりレインコートの方が絶対いいです。
暗くなってきて、人がだんだん増えてきました。
やっぱり夜の雰囲気が人気のようです。
昔をほうふつとさせるお店だけではなく、猫のグッズを集めた可愛いショップなども。
一時間じゃ見きれないくらいの結構な数のお店が並んでいますが、この中のほとんどが下の町から来ている人たちで、ここに住んでいる人は少ないんだそうです。
上にある小学校に通っている人は40人弱くらいだと、ガイドさんは言っておりました。
日が暮れ夜になるにつれ、九份の狭い通りは大混雑。戦争というか、カオス(;´Д`)
時間になったので集合場所に戻り、また送迎バスに乗って下の駐車場まで行く予定でしたが、帰りはバスが大混雑していて、なかなか団体がまとまって乗れるバスが来ない……。ので、歩いてバス停まで行くことに(;・∀・)
帰りはちょっと大変でしたが、それでも路線バスや電車で行くよりは、観光バスで行く方が大分楽そうでした。
九份にしても、十分にしても電車やバスの混み方が半端なかったですから。
九份の阿妹茶樓(あめおちや)の夕暮れの景色や、狭い通りに並ぶ店は本当にフォトジェニック。
もう少し混んでなくてのんびり歩けたらもっといいんですけど、反面、人が多い分、接客がうるさくないのはいいかもしれません。
みなさまもぜひ、台北を訪れた際には行ってみてください。(´∀`)
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