「忠烈祠(ちゅうれつし)」とは、戦没した英霊を祀る、台湾版靖国神社のような場所です。
ここの衛兵交替のセレモニーが有名で、時間になると多くの観光客がそれを見ようと押しかけます。
時間になると、大殿から兵士さんが出てきます。
陸海空軍の兵士が持ち回りで担当しているようで、私たちが行った時は、陸軍の兵隊さんが担当でした。
ガイドさんの話によると、台湾は今年から募兵制になったそうで、それまで徴兵制だったのだそうです。
今までは徴兵制でしたので、みんな大学などを出るとまず一年間の兵役に就くのだそうです。
兵役を済ませていないと、パスポートも取れないのだとか。だからみんな、さっさと兵役を済ませようとするのだとか。
ガイドさんが兵役に就いた時は、その時その場に26人いて、陸海空軍とくじ引きで振り分けられるのですが……一番人気はどこだと思いますか?
空軍だそうです。
理由はズバリ「楽だから」。
一年じゃ飛行機の操作をマスターできるわけでもなく、そういったことは教えられないので、一年間、掃除など簡単な雑務ですむのだとか。
逆に一番大変なのは海兵隊で、ものすごい訓練が大変なのだそうです。海兵隊は一番危険な任務を担う部隊ですから、厳しいのも仕方ないのですが……。
海兵隊ほどではなくても海軍も、海の上に出てしまうので、そんなに自由もないし色々と大変みたいです。
陸軍は所属部署によるそうで、楽で一日草むしりをしているような部署もあれば、大変な部署もあるようです。
結局26人中、空軍海軍が2人ずつ、残りは全部陸軍への配属だったそうです。ガイドさんも陸軍だったとのことでした。
さて、この「忠烈祠」の衛兵交替ですが、他にも二か所衛兵交替のセレモニーがあります。その中でも、忠烈祠のセレモニーが一番大きく人気があります。
交替の兵士さんですが、こちらは花形のポジションとのことで、オーディションがあるんだそうです。
身長180cmより低いと×、体重80kg超えると×、タトゥーをしていると×で、腕立て三分間など体力的な審査を通り、家に犯罪者がいないなどのチェックを受け、更に長時間同じ姿勢を保てるかなど様々なテストをパスした兵士たちが、セレモニーの担当になれるのだとか。
(ガイドさんは上のように言っていましたが、調べると身長などの上限が少し違うように書かれているところもありました。が、ここではガイドさんが言ってくれたことをそのまま載せます)
また、セレモニーの兵士になると、離島などに飛ばされずに済み、休日に家に帰りやすいなどのメリットがあるため、人気があるようです。
そのまま門の手前まで行進していきます。
兵隊さんを追いかけて、観光客はみんなカメラを持って走ります。
動画をずっと横から取り続ける人、先回りして、真正面から写真を撮ろうとする人で大賑わいです。
門の前で、セレモニーが始まります。
後半、背中ばかりですみませんが、なんとなくセレモニーの雰囲気はわかるかと(;・∀・)
セレモニーが終わると、二人の兵士は門の入り口の台に上り、まるで彫像のようにピクリとも動かずに立ち尽くし番をします。
セレモニーが終わると、兵隊さんを間近で見られるようになります。
友達は兵隊さんの前でぬいぐるみを頭に乗せてみたりして、笑わせようとしていましたが、無駄な努力に終わっていましたw
ちなみにこの日は気温30度くらいありました。
陸軍は冬服しかないため、この気温でこの服装は汗がだらだら出てきます。しかし兵隊さんは動かないため、係の人が兵隊さんの汗をぬぐってくれます。海軍だと、夏は半袖の制服があるから、少しは楽なんでしょうけどね。
その姿を見ると、昔名古屋のデパートの横に立っていた、托鉢僧を思い出します。
生きているのかしら?と思うほど、微動だにせず立つその姿は、静かだけど厳しく迫力がありました。
その後、地元の駅で托鉢僧らしき人物を頻繁に見たのですが、名古屋で見た托鉢僧とは打って変わって、鈴をうるさくチリチリチリチリならし、身体もぶらぶらとだらしなく動かすそのさまは、あ、これはきっと偽物の托鉢僧だなと、確信したものです。それはもう、発する雰囲気が全然違いました。
ここの兵隊さんと言い、本物の托鉢僧といい、じっと動かずに立ち続けるというのは、本当にきついことだと思います。
兵隊さんご苦労様です。
日本も靖国神社を自衛隊の人がこうやって警備すればいいのにね、ってふと思いましたが、靖国は国の管轄ではありませんし、そういうことをやったら一部からものすごい抗議が殺到しそうですね。
忠烈祠(ちゅうれつし)を後にして、次はこちらも台北で有名なランドマーク101に向かいます。一時は世界一高い建物になったビルですからね、一体どのくらいの高さなのでしょうか(´∀`)
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