山梨の温泉と言えば、石和温泉が真っ先に思い浮かぶ人も多いと思いますが、この湯村温泉は開湯の歴史が古く、太宰治、井伏鱒二、松本清張など有名な文豪が逗留していた地でもあります。
開湯は大同3年(808年)に弘法大師により発見されたという説と、鷲が傷を癒している所を当時湯村に住んでいた村人が発見したとする説があるそうです。
甲府駅から10分ほどで、湯村温泉に到着。
バスはセブンイレブンの横で停まります。お菓子やお酒など持っていきたい人は、ここで買っていくといいと思います。
甲府駅からこんな近いところに、温泉街があるなんて素敵ですね。
町全体静かでひっそりとしています。
山梨で温泉と言えば石和温泉が真っ先に浮かぶわけですが、なんとなく新興の温泉地より、まずはこういった古くからある温泉地に惹かれるのです。
そのまままっすぐ歩いていくと、湯村温泉の宿がいくつか立ち並んでおり、そこを道なりに進んでいくと、弘法湯に到着します。
歓迎〇〇様、と本日のお客さんが板に書かれている、懐かしいスタイルです。
女将さんが出迎えてくれ、部屋に案内してもらいます。
通された部屋は女湯の向かい側!これは嬉しいですね!もう何回でも入ってくださいといわんばかりの部屋じゃないですか(*´▽`*)
このおかみさんが気さくな方で、いろいろお話させてもらいました。
お部屋ですが、次の間3畳と、8畳と広縁がついていて、一人だと広~いです。
部屋の設備は古いですが、綺麗に掃除されています。部屋の雰囲気が明るくて、入った瞬間、いいなと思いました。
唯一、ゴミ箱が年季が入りすぎてて、これは100均のでいいから買ったらいいのに……と思ったくらいで、快適に過ごすことができました。
まずはまずは温泉~ヾ(*´∀`*)ノ
目の前の女風呂を覗いてみました。
まずですね、お風呂に行ってびっくりしたのが……
なんとお風呂が溢れているのですΣ(゚□゚;)
こちらの写真でも多少わかるかと思いますが、しかしこの写真では伝わらない位、お風呂場が洪水状態になっているのです。
それこそ、ぶわーーーっと、湯船からお湯がダダ漏れしていて、床全体がお湯びたしになって、渦を巻いて排水溝に流れ落ちています。
どの位すごいかというと、トラベルキットのシャンプーやリンスを床に奥と、流されていってしまうくらいの湯量です。
こんなに豪快にかけ流されているところは、初めてです。
こちらのお風呂、下の方にお湯が噴き出してくるところがあってので、あれ?もしたしたら循環なの?と思いましたが、女将さんに聞いたところ、上からの掛け流しだと下に冷たいお湯がたまってしまうので、それを防ぐために付けていて、下から出ているのも源泉だそうです。
そういえば循環の温泉によくある、吸い込み口はなかったなと、後になって思いました。
2階に上がる途中に家族風呂が一つあるので、そちらに入らせてもらいました。開いていればいつでも好きな時に入ることができます。
写真ではわかりませんが、こちらもドバーーーーっとダダ漏れしています。
人がいてもいなくても、それだけのお湯が常時流れているなんて、何という贅沢(*´Д`)
お湯はぬるめで、体温より少し暖かいくらい。肌をなでると、つるりとします。
そしてこの温泉、入ってちょっとすると、身体にびっしりと泡がつきます。ぬる湯の貝掛温泉もしばらくすると泡がつきましたが、貝掛よりも早く泡がつくような感じがしました。
そんなに大きくない浴槽にドバドバ注がれているので、お湯の鮮度がいいんでしょうね。素晴らしいです!
泉質はナトリウムー塩化物泉(低張性、弱アルカリ性)。お肌に優しそうな温泉なのに更に追い打ちをかけるメタケイ酸。100mg近く含まれており、これは美肌効果も期待できます。炭酸泉ほどではありませんが、ちょびっと遊離二酸化炭素も含まれているんですね。(これが1000mg以上だと、二酸化炭素泉になるんだそうです)
ぬる湯って、長時間入っていられるのがいいですよね。熱い温泉だと10分も入れないで暑いーもうダメーってなりますけど、ぬるいといつまでーーーも入っていられることができます。湯疲れも少なくて済みます。
そろそろぬる湯も入るのが辛くなってしまう季節ですが、こちらの「弘法湯」は11月の寒くなってきた頃に数日間宿の営業を停めて、掛け流しから加温に切り替えるそうです。
ただ、加温にすると泡がつかなくなるので、加温の時期だけ来ない常連さんとかもいらっしゃるんだとか。
そして女将さんが「ボイラーを使うようになると、暖房費が大変なんですよ」と、明るく笑顔でおっしゃってました。言われてみれば、そうですよねー……24時間、あの豪快な量の掛け流しを加温しているのだからその暖房費たるやすさまじいと思われます……(;・∀・)
この温泉ですが、お肌つるつるになります!
翌朝鏡を見たら、肌がツヤツヤぷくぷくだったので、自分でもびっくりして「おっ!?」と声を上げてしまいました。
このお湯に毎日入れたら、お肌の調子がとっても良くなりそうです。(´∀`)
そして夕食タイムー!
こちらは夕食朝食とも部屋食で、仲居さんが運んできてくれます。
運んでくる仲居さんとも少しおしゃべりをしたのですが、こちらの旅館も東日本大震災の時にお湯が出なくなってしまって、あたらく掘ったのだとかなんとか。
温泉が出なくなるとか、死活問題ですからね……旅館の維持って、本当に大変ななんだなと思います。
スタンダードコースやグレードアップのあるのですが、今回は少し少なめのコースにしました。
少な目と言っても、このくらい出ますので、女の人なら十分だと思います。
食事ももちろんおいしかったのですが、特筆すべきはこちらのお米。「梨北米」というお米だそうで、これがまた美味しかったこと!
このお米と、おしんことみそ汁があったら、ご飯を際限なく食べてしまいそうです。
温かい玉子焼きと、厚みがあって脂の乗ってる鮭が素敵でした(*´Д`)
久しぶりに美味しい鮭食べたかも~。
ご飯はもちろん梨北米で、おひつの半分くらいご飯食べちゃいました。
チェックアウトまで、いつものように貸切風呂などを堪能してたのですが、今回、とても旅館の居心地が良かったのか、早めに寝てたのに、7時過ぎまで爆睡してました。
旅館で熟睡するのって、我ながら珍しいです。
しかもそのおかげで、朝ごはん前の朝風呂に行きそびれました……(;´Д`)
その分を取り戻すべく、食後貸切風呂に入っていたのですが……貸機の風呂の階段を上に上がったところに、こんなものを見つけました。
ファミコン世代にはめちゃくちゃ懐かしいものですね(*´∀`)
まさか今時お目にかかれるとは思いもしませんでした。
チェックアウト時も、女将さんと話が弾んでしまいました。
とても気さくな女将さんです。こちらの宿には常連さんも結構いらっしゃるみたいで、納得です。
こちらの宿、これだけ色々おもてなしをしてもらいながら、リーズナブルなプランだと、一人8,000円(税抜)というお値段です。しかもさらにすごいのは、普通一人旅で予約するとなると、2人分の料金より少し安いくらいの値段だったりすることが多いのですが、ここは本当にひとり分のお値段で泊まることができます。
こういう宿は、一人旅をするときには、素晴らしく有難いです。
石和温泉に負けず、歴史ある湯村温泉も、ぜひ頑張ってほしいです。
ちなみに帰りは、湯村温泉から新宿まで行く高速バスが時間によっては出ているので、そちらを使いました。
ただし乗り場は、路線バスのようにセブンイレブンの横ではなく、幹線道路沿いにある「甲府富士屋ホテル」の入り口になります。
温泉DATA
【泉質】ナトリウムー塩化物泉(低張性、弱アルカリ性)
【PH】8.4
【効能】 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、切り傷、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病
アクセス
【車】中央自動車道、甲府昭和I.Cより30分、甲府より10分
【電車】甲府駅→バスで約10分 湯本温泉入口
公式サイト:湯村温泉郷 杖温泉 弘法湯
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