戸隠に行く前日に泊まった宿が、こちら「湯田中温泉 よろづや」です。
3種の温泉を引いており、もちろん源泉掛け流し。しかも、部屋のお風呂にも温泉が出るという、なかなか珍しい宿です。
こちらの桃山風呂は登録有形文化財だそうで、純木造伽藍建築な温泉というのもなかなかお目にかからないものです。
評判の良い宿だったので、楽しみに行ってきました。
だいぶ早く到着したので、善光寺にお参りしてからのチェックイン。
東京は雪のかけらもない天気だったのに、長野市に入ってからは白い世界に包まれました。
仲居さんが荷物を持ってくれて、お部屋まで案内してくれました。
丁寧ですが丁寧過ぎず、地方の温かさを感じる接客です。
この階段を上がったところには、コーヒーや紅茶が自由にいただけるラウンジがあります。
案内されたお部屋は10畳+4畳で、ゆったりとした造りでした。
仲居さんによると昨日からの雪で、もうこれだけ積もったんだそう。さすが長野。
広縁と化粧室がついています。
仲居さんがお茶を出してくれたのですが、それがお抹茶でした。
うーん、上品。お抹茶が出てくると、いい宿に泊まってる感じがします。
風量のあるドライヤーが用意されていると、女性には助かります。
玄関を上がった先には、空の冷蔵庫と、ポットとお茶セット、氷の入ったお水が用意されています。
ここの温泉は、「桃山風呂」と「東雲風呂」があって、男性と女性で時間によって変わります。
お目当ての桃山風呂は前半が女性だったので、さっそく桃山風呂へ。
脱衣所に入ると、そこはもう木造建築のレトロな世界。
タイムスリップしたかのような感覚になります。
置かれている鏡まで昭和前半みたいなレトロなもので、それがまたよくこの空間にマッチしてました。
中に入ると、真ん中にドーーンとタイル底の湯舟があります。
お湯は透明で、ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) 、PH 8.39だそうです。
一見普通のお湯に見えるけど、お湯を掬って鼻先に近づけると、ほんのりと土のような匂いがします。
温泉といえば硫黄の匂いですが、土の匂いがする温泉も好きです。
お湯が出てるところは熱めで、反対側は少し温くなってたので、適温な場所を探すのがいいです。
内湯で温まった後、蒸し風呂を少し楽しんでから、露天に移動。
庭園は雪に覆われ、丁度その時雪も降って来ていて、最高の雪見風呂を楽しむことができました。
温泉の上の木では、小鳥が鳴いてました。普段なら逃げそうな距離なのに。
湯気がでてるし、暖かいんですかね。
お風呂上りには、ラウンジで水分補給。
コーヒーや紅茶が飲める場所はまあまあありますが、この宿は何と、
デトックスウォーターまで用意されています。
お風呂上がりでアチアチなところに、これは嬉しい~。
ありがたくいただきました。
お風呂の後は、お食事処で夕ご飯。
個室に区切られているので、のんびりとご飯を楽しめます。
食前酒:林檎酒
前菜:百合根薩摩芋寄せ、わかさぎ塩麴焼き、坂井芋胡麻味噌田楽、むかご釈迦煮、海老黄身寿司
お椀:土瓶仕立て、福美鶏、あわび茸
お造り:長野県産信州サーモン、長野県産信州大王岩魚
お凌ぎ:信州蕎麦
強肴:北志賀の清流育ち 岩魚の塩焼き
台物:信濃雪鱒しゃぶしゃぶ、地野菜
煮物:飛龍頭、粟麩、しめじ、ほうれん草
お食事:木島平産こしひかり、信州味噌仕立て、野沢菜、戸隠大根味噌漬け
水菓子:レアチーズケーキ、フルーツ
一緒に行ってる人が、お品書きの最後ををちらっと見て「ここは料理長がいないのか」ってつぶやいてました。このくらいの宿になると、お品書きの最後に料理長の名前が書かれていることが多いです。
全体的に、長野産の食材がたくさん使われています。
台物は魚と肉から選べたのですが、私は魚にしました。
お肉だと、信州牛の柳川風という料理になります。
そしてお酒なんですが……。
お食事に合わせたお酒を少しずつ提供してくれる、という面白いものがありました。
面白そうなので、お酒はこちらに。
おちょこより一回り大きい器に一杯ずつ出てくるのかなーと思いましたが、これが一つずつ徳利+おちょこで出てきました。
すいすい飲めるお酒から始まり、少し癖のあるものなど。
さすがに1合は入ってませんが、それでも×4となると、なかなかの量。
三合くらいあったかなぁ……。それでこのお値段。
お酒好きな人には、お得なんじゃないかと思います。
長野といえばお蕎麦。旅館でも登場。なかなかおいしい。
信濃雪鱒がキラキラしてます。この魚、もともとは昭和の頃にチェコスロバキアから養殖目的に持ち込まれた魚なんだそうです。
デザートの頃にはめちゃくちゃお腹いっぱいになっていて、一口しか食べられませんでした。
チーズケーキ美味しかったのに~、パインもシャインマスカットも甘かったです。
食後部屋に戻ると、お布団が敷かれていたのはいいとして、新しい浴衣とバスタオルが用意されていたのがびっくりしました。
お風呂を何度でも楽しんでね!という心遣い。嬉しいですね。
翌日の朝ご飯も、お食事処で。
全般的に、食事はだいたいおいしかったです。
ただ、欲を言えば、前菜をもう少し豪華にしてくれると更にいいかなー。
旅館の食事の時に最初に用意されてる八寸って、季節感があってテンション上がるものだし、なによりもそれをちびちびつまみながら日本酒を飲むのがとっても楽しい!
折角日本酒のコースを用意してくれているんだから、もう少し八寸に力入れてくれると更に嬉しいんだけどな~。
朝風呂は、男女が入れ替わって東雲風呂に。
こちらは桃山風呂とは正反対の、現代版の綺麗な大きなお風呂でした。
桃山風呂と違い過ぎるw
こちらはこちらで、いつも行くような温泉のお風呂~という感じで、嫌いじゃないです。
部屋に戻って窓から外を見ると。
昨日とは打って変わってのいい天気。これなら戸隠も期待できる。
この宿の横には、湯田中大湯という有名な外湯があって、基本は地元の人向けなのですが、ここの宿の泊まる人は利用することができるんだそうです。
行ってみたかったんだけど、宿のお風呂を堪能して満足してしまったので行かずじまいに。うーん、ちょっと勿体なかったかなぁ。
チェックアウト後は戸隠奥社へ。
素晴らしい雪景色を見ることができました。
全体的に高級感のある宿で、素敵でした。
デトックスウォーターがあったのもお洒落。
個人的には、食事はもう少し力を入れてくれるとよかったかな。(宿泊代から鑑みても)
レトロな雰囲気の温泉が好きな人には、おすすめの宿だと思います。
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