京都の人々に親しまれている、ものすごい賑わいの「弘法さん」【東寺】

京都の人々に親しまれている、ものすごい賑わいの「弘法さん」【東寺】

東寺は、空海さんの開いた真言宗の根本道場、総本山です。京都駅から歩いて行ける距離にありながら、境内はとても広いです。東寺といえば日本一の高さを誇る五重塔が特に有名ですよね。
創建は延暦15年(796年)、御本尊は薬師如来です。

京都滞在最終日、帰るまでには時間があったので、どこか一つ近いところで行こうかな~と地図を見ていたら、東寺に行ってなかったことに気づきました。
これは行くしかない!と思って、ホテルをチェックアウト後歩いていきました。

東寺についてはほとんど調べてなかったので、知識ゼロ状態です。五重塔がすごいとか、立体曼荼羅があるらしいとか……。
露天を冷やかしつつ、東寺までたどり着いたのですが……。

慶賀門

何!?この人だかりは???しかも、お巡りさんまで来て交通整理してる。
まだ朝の10時頃なのに、東寺ってこんなに観光客で一杯なんだ!?
よく分からない私は、びっくりしたわけですが……。

実はこの日、12月21日です。

あー、やっぱり。と地元の人などは一発でわかる話ですが、全く分からなかった私は、ただ目を白黒させてその人の渦の中に巻かれていきました。

門をくぐった先は、人、人、人!

たくさんのたくさんの出店と、隙間が見えないほどの人ごみです。
ひょえ~!何これ(@_@;;
露天の端には品物を見て立ち止まっている人がいるので、細い道が更にごった返しています。

東寺では、弘法大師の命日21日に「弘法市」が開かれていて、こういった出店が境内にいっぱい並ぶのだそうです。特に12月21日は「終い弘法」と言われ、千店を超える出店が並び、それを買い求めるお客さんで賑わうのだそうです。
賑わう……っていうか、もはやお祭り状態ですね。
正月の準備の品から、お漬物、食べ物、着物、植木……色んなものが売ってました。

ひるぜん焼きそばって何だろ~?
ちょっと気になるけど、それより参拝に行きたいのに、あまりに人が多すぎて思うように動けません。
なんとか手水舎をみつけたのですが、周囲をぐるりと出店で囲まれてました(;´Д`)

よく分からないまま歩いていたら、「食堂(じきどう)」に出ました。
こちらは自由に中に入ってお参りができます。

この中で御朱印をいただけるのですが……ものすごい長蛇の列で、諦めました(;´∀`)
ようやくチケット売り場を見つけて、金堂・講堂と観智院の拝観ができる共通券を買いました。

お金を払って中に入ると、五重塔が目の前に見えます(*´∀`)
左奥に五重塔、右側に金堂と講堂があって、みなさん右側から行って五重塔を見て戻ってくるようなルートで歩いていましたが、なんとなく先に五重塔が見たかったので、まだ残っている紅葉なども一緒に写真に収めつつ五重塔の方に行きました。

池の鯉
紅葉が綺麗

この五重塔は高さ54.8mもあるんだそうです。
雷や不審火で4回ほど消失していて、現在のものは1644年に建てられたものです。

紅葉と五重塔

のんびりと五重塔を見てから、そろそろ金堂いってみようかな~と金堂の中に入ったところ、ちょうど黄色い法衣を着たお坊さんたちが、ずらりと薬師如来の前に並んで、般若心経と真言を唱えてました。

これはラッキ~!と、私たちも一緒に般若心境と真言を上げさせていただきました。
薬師如来の真言はわかったのですが、他のは聞いたことはなかったので、それは両隣にいらっしゃった真言日光菩薩と月光菩薩の真言なのかもしれません。

お坊さんたちは金堂を出ていき、次は隣の講堂に向かいました。

私たちもぞろぞろと講堂についていきます。
お坊さんたちは中央の大日如来の前あたりで同じように、仏様に般若心経と真言を上げていました。
私の他にも、一緒に般若心経を唱えていた人が結構いました。
取材の新聞かTVかが来ていて、お経をあげるお坊さんたちの横で写真を撮っていました。

立体曼荼羅といって、空間に21の仏様を配置して、密教の世界観を表現しています。
平安時代に作られたものとかも、ぽんと並べてあるのがすごいです。
なんというか落ち着いた力強さを感じる空間です。
金堂も講堂も、腰かけられる場所があるので(腰掛として作られているものではないですが)、そこに腰かけてゆっくり仏像を眺めることができていいです。
ここのお不動様、私が今まで見てきたのほどに怖さがないなぁ……と思ったり(ノ´∀`*)

そのあとは、他のエリアをぐるりと回ってみました。

大日堂

こちら建物の中で何か行われていたようなのですが、すりガラスに人の背中が映るくらい、たくさんの人が入っていたようです。

弘法大師が住んでいたと言われる御影堂は工事中で、今年完成するみたいです。
他にも東寺にはいろいろな建物がありましたが、どこも人で賑わっていました。
地元の人たちにとても愛されている場所なんですね。こういった場所に足繁く通える人が、本当に羨ましいです(*´∀`*)

北海道震災の募金

また出店の人ごみをかき分けて、門の外に出ます。

門の外にも、いろんな仏様のお堂がありました。

大元帥明王

あんまり耳なじみがないような明王様でしたが、何せ強そうな名前なので手を合わせて、必死に横に書かれている真言を唱えようも……長いし……(;´Д`)
しかもなんか唱えているうちに、ジュゲムジュゲム……と、唱えている気分になってきます。

つっかえながら必死に唱えていると、後ろから来たおばさまが、立て板に水とばかりにスラスラと長い真言を7回復唱して、
「ありがとうございました」
と、一礼して去っていきました……。カッコイイ!

観智院

こちら、真言宗の学校のようなところだったそうです。武士も来たとかで、建物の造りもそれに合わせたものになっています。

茶室などもあり、綺麗な観智院の庭を眺めながらお茶を楽しめるように造られていました。
また、観智院の名物は宮本武蔵が書いたと言われる絵が目の前で見られることです。

この後、もう一度伏見稲荷に寄ってから、東京に帰りました。
ものすごい混雑した市が「終い弘法」だったというのも、帰りの新幹線の中で調べて知りました(;・∀・)
年に一度の賑わいに偶然あたったというのもラッキーですが、もしかしたら空海さんが、東寺に来るなら「終い弘法」も見ていきなさいと、気を利かせてくれたのかもしれません。

以上、年末年始スペシャルの京都旅行でした。(´∀`*)ノシ
また行きたい~!

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