朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)は、聖徳太子が開いたといわれるお寺です。ここのご本尊は毘沙門天で、戦いに勝つことと、富ませること両方を得意とした仏様です。このお寺もとっても広くて、色々な仏様が祀られています。
ところで私はこのお寺の名前がなかなか覚えられず……。ちょっと難しいですよね?
朝護孫子寺はJRか近鉄の王寺駅か、信貴山下駅からバスで行くことができます。
ですが、バスの本数が多くなく、おまけに駅で迷ってたりしたので乗り継ぎに失敗してしまいました……。
もういいや、と王寺駅からタクシーで行ったのですが、2000円ちょいでした。
タクシーで山の方を上っていきます。途中、ひたすら続く坂道を上る通学途中の高校生たちがいて、毎日これを上るのは大変そうだなぁ……と思いましたが、なにせ若いですからこのくらい余裕なんでしょうね。
こちらのお寺は、拝観料はいらないようです。有名どころの仏閣はみんな拝観料が必要だったりしますが、朝護孫子寺は普通の大きなお寺、といった感じになっています。
仁王門をくぐって歩いて行くと、右手に剱鎧護法がありました。
当病平癒の神と書かれてます。
こちらの鳥居をくぐると、山の中の道みたいになっています。
少し進んでから振り返ると、こんな素敵な景色が。
この先も鳥居が続いていて、赤い鳥居が連なる雰囲気はお稲荷さんみたいになっています。が、お祀りされているのは病気平癒の神様です。
上に提灯がたくさんぶら下がっていて、ちょっと面白いです。
健康に関することをお願いしてきました。
引き返して鳥居をくぐります。
鳥居の向こうに見える大きな建物は、本堂です。
朝護孫子寺は広いです。さて……どこから回ったらいいものか?
鳥居のすぐ横には、開山堂と書かれた鳥居があったので、それじゃあここから行ってみようかなーと……。
階段を少し上がったところで、下からおばさまに呼び止められました。
で、こっちから上がるより本堂の方を先に見て、ぐるっと後ろに細い道があるから、そこから開山堂に行った方が楽だよと教えてくれました。
大神神社に続きまたここでも、どこから見ていいのかなと思った直後に、人に教えてもらいました。ラッキーです!ありがとうございました。
というわけで、元の道に戻って、本堂の方に向けて歩いて行きます。
このお寺、色んなところでトラを見かけるのですが、これは聖徳太子の前に毘沙門天が現れたのが寅の年、寅の月、寅の日、寅の刻だったからと言われいます。
途中に、大きな木とかやの木稲荷があります。
後ろの木がご神木のかやの木で、見上げると大きいです!
樹齢なんと1,500年!すごいですね……。
こちらのかやの木の実を、桜井識子さんが強く強くおススメしており、本堂で売られていたので購入しました。この実を焚くと、部屋の中から悪いものが出て行ってすっきりするんだそうです。
こちらは融通尊といって、福徳・開運・金運・良縁など様々融通してくれるんだそうです。
私も丁寧にお参りしてきました。特に、お金とかお金とかお金とか融通されますように。(なんかもうこの時点でダメなような気がしますね)
行く先々に色んなお堂が立っていて、歩いているだけでも楽しいです。観光客はあまりいなくて、外国人観光客が数組と、日本人の観光客がちらほら。あとは地元の参拝者がちらほらといった感じでした。
お不動様もいらっしゃいました。
その先を進んでいくと、毘沙門天ののぼりが立ち並んでいます。
紫色でカッコイイです。
途中途中には、トラの石像がありました。
トラだから檻に入れられているのかな……と一瞬思いましたが、保護のためですよね……たぶん。
手水の後ろにずらりと並んでいるポットはなんぞ?と思ったら、これはこの上にある空鉢堂にお参りする時に、水を汲んで持っていくんだそうです。
結構登らないといけないようでしたので、いかれる方はそこそこの心構えをした方がいいかもしれないです。
本堂は階段を上った先にあります。階段を上って右手に沿って進むと、お参りできるエリアになります。
この背後の眺めがとてもいいです。
霞んでますが、町を見下ろせていい気分になれます。
本堂に上がることもでき、もっと近くで毘沙門天様にご挨拶することもできます。折角なら、上がってみた方がいいですよね。
本堂で御朱印をいただき、かやの実を買って、戒壇巡りも体験してきました。
この戒壇巡りというのは、本堂の下に真っ暗な通路があって、右手を壁につけたまま進んでいくと、十二支の守り本尊があるのでお参りし、そのあとはまた進んでいくと、上にいらっしゃる毘沙門天様とつながっている錠前があるので、そちらを触ってご利益をいただくという仕組みらしいです。
なんか面白そう!ということで、入ってみたのですが……。
本当に暗い!
家の中で真夜中目が覚めた時は、それでもまだどこかから明かりが漏れてきたりするじゃないですか。
でも、ここは本当に、一切の明かりがない暗闇でした。まさに無明の闇。
あまりに暗いと感覚が狂います。
最初本能的に怖いと感じましたが、ここは毘沙門天様の真下。怖いはずなんてありません。
そう言い聞かせて歩くのですが、ほんと真っ暗だとゆっくりしか進めません……w
この時思ったのが、人間って真っ暗すぎると何も考えられなくなるんだな、ということ。
なんかぼんやりしてしまって、自分が考えてるのか考えてないのかも、よくわからなくなるような感じ。
干支の本尊も見つかり、鍵にも触れられて無事戻ってくることができました。
ここまで真っ暗になれることってなかなかないので、体験してみると面白いかもしれません。
最後に裏道から開山堂へ。
ここは四国88か所のご本尊をお祀りしている場所です。
建物の中、外周の石の廊下の下には88か所からもらってきた砂が埋められていて、そこを一つ一つ歩くことで、全部巡ったことになるという、楽してお遍路さんができるシステムになっています。中央は、88か所の仏様たちが大集合している彫刻があります。
やってみようかなーとのぞいてみたら、そこにいたのは朝来た時に、どんな風にここのお寺を廻ったらいいか教えてくれたおばさまでした。ここの人だったんですね。
なかなかお話し好きなおばさまで、色んなことを聞かせてくれたり新聞の切り抜きを見せてくれたりしました。お参りの方法が書かれた手作りファイルがあったりと、なかなか気が利いています。
ここの88か所のお参りの仕方ですが、まずは88枚の小銭を用意します。これは横の売り場で両替してくれます。1円、5円、10円コースがあって、私は少し奮発して5円コースにしてみました。
その小銭と、納め札を手に、お砂踏みをします。
弘法大師の真言を唱えながら、そそそそっと小股に御影石の上を歩きます。その次にお金とお札を収める場所があるので、一つ一つ収めていきます。
1~88まで一気に歩いてから収めるのもよし、少し難易度を上げて11ずつに区切って8回に分けてやるのもよしということで、私は少し難易度が高い8回に分けてやる方を選びました。
お札はきっちり88枚渡されるので、数え間違えて、お札足りなくなったらどうしようというプレッシャーと共に進んでいきます。
私はきっちり収めることができました。
また、ここには白と黄色の蝋燭が、水に浮かんでともされてました。白は息災(除災招福・当病平癒・交通安全等)、黄は増益(開運招福・学業成就・商売繁盛等)、白+黄で「開運厄除け」なんだそうです。うまく水に浮かべば叶い、浮かばないと……なんだそうです。
まず蝋燭の芯をまっすぐ立てて、そこをつかんで水の上にそーっと浮かべ、それから火をつけるのがコツだとおばさまがおっしゃってました。乱暴にやると、うまくいかないみたいです。
ということで、私も教わった通りに黄色い蝋燭を浮かべてみました。ちゃんと浮かんで火もつけられたので、金運upするかもしれないですね!
色々お話を伺いましたが、このおばさま、ここのお坊さんに結婚相手を紹介してあげたりもしたそうですw
「でもここのお寺のお給料が少ないから、もっと稼げるところにって法隆寺(朝護孫子寺から近いです)に行っちゃったのよ」
と笑いながらおっしゃってました。
あー……なるほど~。そりゃ、法隆寺はこことちがって拝観料をしっかりとるものね。お金あるはずだな、とか、お寺にいながらそんな生臭いことを思ってみたり。
見事なまでに観光地化されている法隆寺もよかったですが、朝護孫子寺の長閑で素朴な雰囲気と空気の綺麗さと、毘沙門天様、私は好きです。
朝護孫子寺では宿坊があって、修行体験などもできますし、他にも金運招福のカメの神様や貧乏神除け神社など、ユニークなものもありますので、宿坊に泊まりつつのんびり参拝するのもいいんじゃないかなと思います。
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