本当に手が千本あった千手観音様と、すっきりと美しい鑑真和上の御廟【唐招提寺】

本当に手が千本あった千手観音様と、すっきりと美しい鑑真和上の御廟【唐招提寺】

唐招提寺の創建は759年。はといえば、鑑真ですよね。
5度の渡日を試みてことごとく失敗し、両目を失明してしまったにもかかわらず、6度目の渡日でようやく日本にたどり着き、仏教を広めることに尽力してくれたすごいお坊さんです。
簡単に移動できる今と違って、6回渡日を試みるということは、それだけでもかなりの年月を要したものと思われます。普通の人間ならここまで頑張らないでしょうし、失明なんてしてしまったら心折れてしまいそうなものなのに、鑑真様はそういったことを顧みず、意地でも日本に行って仏教を広める!という意思を貫き通したわけです。

さて、JR奈良駅からバスに乗って、唐招提寺に着きました。私は初めての訪問です。

南大門

着いた時、幼稚園(保育園?)児がわらわらと境内に入っていきました。
小さい頃からこういったところに行くというのは、なかなかいい教育ですよね。

拝観利用を払って南大門をくぐると左側に、石碑があります。

世界文化遺産

春日大社にも、こんなのがありました。唐招提寺も世界遺産なんですね。
こういった言い方は失礼かもしれませんが、そんなに期待していったわけではないのですが、唐招提寺は色々なところに緑があって、とっても雰囲気のいいお寺でした。

南大門をくぐると真正面に、国宝の金堂が見えます。

金堂
金堂と子供たち

この金堂、8世紀後半創建時の姿を残しているんだそうです。
中には左から千手観音立像、廬舎那仏坐像、薬師如来立像のメイン三体があり、他には四天王像などがあります。
思っていたより大きくて存在感があり、うわー!となりました。
特に千手観音様。私は好きです。ここの千手観音様。
千手観音像って、手がたくさんありますが一つの手で25人救うとか、そういった感じで作られていて、本当に手が千本あるわけじゃないのが多いみたいです。
ですがここの千手観音様は、本当に手が千本近くあります(953本だそうです)!
昔は、本当に千あったみたいです。
手がびーーーっしりとあるのです。圧巻です。
静かな空間に仏様が三体揃って、その前に立っていると癒されるのを感じます。

なんかいいなーこの空間、と、あっちを見ては金堂に戻り、帰る前にまた金堂に戻り、と、何度か金堂にいって仏様を見させてもらいました。

講堂 こちらも8世紀後半の建物で国宝
宝蔵 校倉(あぜくら)造りで、唐招提寺の創建に合わせてできたそうです

唐招提寺は緑が多いので、軽く散策するのにも素敵な所です。

広い庭を歩いている気分
素敵な雰囲気
大きな白い藤

遠くからもこの藤の少しツンとした匂いが漂ってきました。
大ぶりでゴロンとした藤だなぁ……と見上げていたら、数匹の熊蜂が忙しそうに花の間を飛び回っていました。昔は熊蜂を見ると、ひーーっと数歩後ずさりましたが、熊蜂は温和でオスには針がなく、こちらから何か悪さをしない限りは刺さないということを知ってからは、近くを飛んでいても大丈夫になりました。やはりこういった知識って大切ですねー。
藤の花の周りって、絶対熊蜂いますよね。好きなのかな。

唐招提寺の一番外れに、鑑真和上御廟があります。
門をくぐると、左右に木々が並び、すっきりとした空間です。

手水
御廟

周囲は池で囲まれていて、鯉や亀がのんびりしていました。

ふらふらと御廟の周りを歩いていたら、お寺の人がお客さんを連れて説明をしていました。
中国人観光客も来ていましたが、基本的にはそれほど観光客でごった返す場所ではないので、のんびり見て回ることができます。

最後に戒壇を見てきました。
なんかインドっぽい建物ですね。戒壇とは、僧になるための授戒(戒律を守る誓い)が行われる場所です。鑑真様は僧侶の中で、授戒の専門家だったようです。それまでは自分が「出家した」といえばそれでお坊さんになれたようで、これではいけないと聖武天皇が中国からその道のエキスパートを招聘したんだそうです。以降は授戒を行わなければ僧になることはできなくなりました。

戒壇

お土産屋さんに立ち寄り、「天平香」というお線香を購入しました。
瓊花(ケイカ)という花の少し独特の、甘い香りがするお香です。この瓊花という花は、唐招提寺の他、咲いているところは少ないんだそうです。
お土産屋のおじさんと少し話をしたら、この境内で咲いた桜の花びらのしおりをいただきました。可愛くて縁起もよさそうです。

なかなかいい雰囲気のお寺でした。
またあの千手観音様たちに会いに行きたいです。

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