興雲閣に宿泊した人だけが受けられる、三峯神社の朝のご祈祷は7時半から始まりました。朝のご祈祷は日供祭(にっくさい)ともって、神様にご飯と祝詞を奉げることです。
神社仏閣の朝の行事ってもっと早いイメージがあるので、7時半からと聞くと、時間的に余裕があるな~と思ってしまったり。
それはともかく、三峯神社の朝の気温はもちろん氷点下です。
しかも、ご祈祷をする拝殿は、三方向が開けっ放しです。最近流行のガラス張りとかじゃないので(中が見えづらくて好きじゃないけど)、ほぼ外と同じです。館内を歩いているのと同じ姿でご祈祷に行くと、えらい目にあいます。
フロントの横の廊下から、拝殿に入ると……。
おやっ?今回は椅子がない。以前は畳に椅子が並べられていてそこに座ったのですが、今回はありません。
最近三峯は人気だし、ご祈祷の人が増えて、椅子が置けなくなったのかなぁ……とか、余計なことを考えてみたり。
正座して待つこと十分。いくら温かい格好をしているからとはいえ、寒いです。そしてご祈祷がはじまる前から、既に足がしびれ始めています。早朝参拝は宿泊者のみの特典ということで、参加している人は10人ちょっとでした。
とても静かな空間です。余計な音がありません。
私たちがもぞもぞと動く音や、後ろの賽銭箱に小銭を投げ込む音が聞こえてきます。
三峯は山の中の神社なのに、こんな朝早い時間から訪れる人がいるんだなぁ……と、前回も思ったことと同じことを考えてました。
時間になると太鼓が鳴って、神職さんが三名入ってきました。鼻息でさえ白い湯気となるこの寒さ。こんなに寒い中でも、神職さんたちは装束姿で平然としています。私たちはダウンとか着こんでいるのに。
左右中央と座ると、神職さんが小さな太鼓を鳴らしながら祝詞を唱えはじめました。
あー、前もこんな感じだったなぁ~と、傾聴。ここのご祈祷は結構長いです。諸々合わせると、30分くらいかかったんじゃないでしょうか。
祝詞終わった~と思ったら、また別の祝詞のようなものを唱えはじめました。どっちかの祝詞の中で、神前のお米とかなんたらかんたら~と言っていたので、これはたぶん日供祭の朝のご祈祷時にしか言わない祝詞なのかも?しれません。
あ……そうだそうだ。前もそうだった。うんうん、と心の中で頷く私。
丁寧なご祈祷は大変ありがたく嬉しいのですが、私は知っています。
最後は立ちあがって、神前に榊を奉納しなければならないことを。玉串奉奠(たまぐしほうてん)というやつです。
前回は椅子だったので、祈祷にのみ神経を向けられますが、今回は畳の上で正座です。
既に半分くらい痺れて感覚がありません。
やばいっっ、これでもし立ち上がろうとした時に、ころりんと横転したら格好悪すぎるっっっっ。
私は胡坐をかいていても足が痺れるという、痺れやすい特技を持っています。
足の親指を組み替えたり、正座の重心を微妙に変えたりして、何とか痺れないようにすることに必死で、後半のご祈祷が上の空でした……。
その努力の甲斐あってか、なんとか足を引きずらずに榊は奉納できましたが、参列していたお年寄りの方は正座から立つこと自体がちょっと大変そうで、前みたいに椅子があったらいいのになぁ……と思いました。
祈祷が終わって、神職の方がこちらを向き直り、挨拶を述べられた後ににっこりと、
「本日の三峯の気温はマイナス五度と、ちょっと寒いですが……」
そうおっしゃられたことに、関東の平地から来た我々は心の中で、
ちょっと!?マイナス五度でちょっと!!??
心の中でものすごいツッコミを入れていました。
最後にお札をいただき(眷属拝借の人が多かったです)、拝殿を辞してから神前に奉げられていたお神酒をいただきます。
拝殿から興雲閣に戻る間の廊下には、写真などが飾られていて、その中には雪の積もった三峯の中で、池に浸かっている男の人の姿が……。
どうやらこれは三峯で行われている「錬成大寒みそぎ研修」というもののようですが、もしこういうことを神職さんも行っているんだとすれば、確かにマイナス五度は「ちょっと寒い」のかもしれません……。
眷属拝借というのは、三峯の眷属様に一年間自分の家に来ていただけるお札をいただくことです。神棚はあった方がいいでしょうが、なくても木の箱に入れておけば大丈夫とのこと。
この眷属拝借ですが、この後は振り返ってはいけないとか、寄り道をせずに帰らなければいけないとか俗に言われていますが、特にそんな決まりはないようです。
憑き物落としにすごい力を発揮してくれる眷属ですから、一年間はそのような災いから家を守ってくれることでしょう。(識子さん曰く、生霊は管轄外なので効果がないみたいです。生霊はお不動様や京都の清明神社や八坂神社がいいそうです)
朝ご飯の時間を過ぎていたので、食事会場に上がります。
色々ご飯が進むものが多いので、何とかご飯一杯でおさめようとするのに苦労します。
食事が終わってから、眷属のお宮であるお仮屋に行ってお参りを。
興雲閣よりも更に外れにあるので、眷属拝借をしない人はあまり行かない場所かもしれません。
眷属さん、首が温かそうですね。
興雲閣からお仮屋の間には、縁結びポイントがあります。
興雲閣に戻ってチェックアウト。帰りも車で駐車場まで送ってもらいました。
駐車場まで送ってもらって、車を見たらびっくり。
車が凍っています。
道路は凍結していなかったので大丈夫でしたが、どこかはまだ凍っているかもしれないので、飛ばさずに帰りました。
この後、帰りがてら日帰り温泉に立ち寄り、帰宅しました。
ちなみに三峯の寒さが応えたのか、帰る頃から鼻水が止まらなくなり、一週間ほど体調を崩しました。
これはいわゆる「好転反応」っていう、デトックスか??と思いましたが、だるさと鼻水が一週間続いたので、単なる風邪でしょうね……。咳やのどの痛さに悩まされなかったのは幸いでした。
そういえば、神社仏閣を参拝した後にすごく眠たくなる経験は何度もありますが、体調を崩したりはしたことないからなぁ……。なんといっても神域だし、そこそこ寒さ対策もしてたから、風邪なんか引かないだろうとタカをくくっていたのがいけないわけですが。
みなさんも、冬の三峯に行く時は、しっかり厚着をしてからお出かけください。
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