高級旅館とかに縁がない私でも、ハリウッドスターの○○が泊まった京都の俵屋旅館、などというくだりは聞いたことがあります。
へー。俵屋旅館ってめっちゃ敷居が高そうだなと思って調べたら、京都には三大旅館というものがあって、それが「俵屋」「炭屋」「柊家」なんだそうです。
今はGoToで安く泊まれるとはいえ、さすがに三大旅館は敷居が高すぎるな~と思っていたら、それより多少リーズナブルな「柊家別館」を発見。柊家の姉妹店みたいです。
そこでも結構いいお値段だけど、今はGoToが使えるので折角ならこの機会を逃す手はない!と、紅葉の京都で二泊してきました。
新幹線に乗って京都へ。久しぶりの京都です。
烏丸御池駅から10分ちょっと歩いたところに柊家別館があります。
ホテルだったら絶対目抜き通りに建っているところですが、大通りから一本入った、閑静な住宅街の中にあるのがまた、控えめでいいですね。
ちょっとですね……宿だけの写真も撮ったような気がするんだけど……撮ってななかったみたいで。。。
この時はチェックインにはまだ早いので、荷物だけ預けて、禅林寺や南禅寺などの紅葉を見に行きました。
観光から戻ってきて、チェックイン。
今回は24号室に泊まりました。24号室だけは、部屋に洗面台はありますが、トイレがついていません。お風呂はどの部屋もなくて、一回の家族風呂を利用します。
この部屋だけトイレがないとはいえ、廊下に出て斜め向こうにトイレはあるし、逆に考えればこのトイレを使うのは私たちくらいでしょうから、これは私たちのトイレみたいなものです。
しかもですね……途中で気づいたのですが、トイレから部屋に戻る時は高確率で、私が脱ぎ散らかした(というほど、とっちらかしてはいませんが)トイレ前のスリッパの向きが変えられて、綺麗に揃えられていたのです。
通りかかった仲居さんが、その都度直してくれていたみたいです。
はー……さすが高級旅館の姉妹店。こういった細やかな気づかいができる旅館って、あんまりないですよね。
204号室のお部屋はこちら。
窓の部分が、時代を感じさせて、いい味を出しています。
部屋は十分に暖められていました。
水回りは新しい方が気持ちいいですからね。こういうところはしっかりリフォームしてるんですね。
最近は空の冷蔵庫が用意されているところが多いですね。久しぶりに、ビールやお酒やジュースが色々用意されているのを見ました。冷蔵庫に飲み物が色々あると、なんとなく安心感があります。
ここにバスタオルがないのは、お風呂場にバスタオルとハンドタオルが完備されているからです。
部屋に案内してくれた仲居さんが、お茶とお茶菓子を出してくれました。
この朧月も美味しかったのですが、それだけではなく、出されたお抹茶が美味しい!
実はこの日はその前に、「ぎをん小森」でわらび餅セットをいただいていたのですが、その時に出されたお薄(お抹茶)の味が「ん……?こんな味だっけ?」と首を傾げるようなものでした。母も同様だったようで、柊家別館で出されたお薄を飲んで「美味しい!そう、お薄ってこういう味だよね」とうなずいたという。
この後は夕食です。
部屋出しなので、仲居さんが一つ一つ運んできてくれます。
今時部屋出しの食事なんて、贅沢です。
まずはお出汁が出てきました。
へー、こういうものが出てくるんだ~と、興味津々。
まずは竹の器に入った出しをそのまま飲み、次に鰹節を加えて味わうんだそうです。
車エビとかあん肝とか!
やばい。
しかも食材だけじゃなくて、本当においしい……!
たまらず日本酒を注文しました。
器に柊のマークが入っているのが洒落てます。
味付けは上品で、かといって薄くもなく、繊細さを残しつつも味も付いていて、本当においしいです。
一見ただの焼いたお持ちなのですが、齧ると真ん中にからすみが入っています。
黒いのが大徳寺納豆で、しょっぱいので、これをお餅に少しつけて食べます。中のからすみも塩分があるので、お酒がまた進みます。
お餅って、こんな食べ方もあるんですね。
柿って白和えにもするんだ。
こういうきちんとしたいい料理を食べたことのない自分にとっては、色々と新鮮です。
この胡麻汁も美味しかったー。
本当にどれを食べても「美味しい、美味しい!」しか出ないという。
柿もいい具合に熟れて甘かったし、右の最中の皮に栗の粉がかかっているお菓子も、さらりとした甘さで美味しかったです。
ここのご飯やばすぎ!みんなとっても美味しい。
こんなにおいしいご飯食べたの初めてかも。食べ終わって、母も私も大満足でした。
連泊にしてよかった~。明日の夜のご飯も楽しみです。
お風呂は頼んでおいた時間になると、お風呂の係の人から電話がかかってきます。家族風呂は4つありました。
温泉ではありませんが、いいお湯加減で準備されていました。
バスタオルとハンドタオルも用意されていますし、シャンプーリンスなどももちろんそろっているので、部屋の鍵だけ持ってお風呂に行くことができます。
ちなみに、朝風呂も入ることができます。希望の時間を聞かれるので、頼むと用意してくれます。
食事前の朝風呂なんて、贅沢ですね~。
このお風呂の時に、仲居さんがお布団の上げ下げをしてくれます。
下は、他に入ったお風呂です。
ジェットバスのお風呂には二回入りました。湯船は二人入っても余裕がある広さです。
お風呂から上がると、朝ご飯です。
ちりめんがこんなに……ご飯が進んでしまう……。
朝はそこまで食べられないので、丁度いい品数です。
鮭はふっくらと焼かれていて、母が感心していました。
そして二日目も観光してきて戻ると、またお茶とお茶菓子を仲居さんが出してくれます。
このティーカップに入っているのは紅茶じゃなくて、甘くておいしかったです。(名前聞いたんだけど、覚えられなかった……)
出されたお菓子よりも甘くて、母が気に入ってました。
お菓子も食べるとぽろぽろっとした食感で、これまた素朴な美味しさが。
そして楽しみにしていた夕食。昨日が昨日だけに、いやがうえにも期待は高まります。
今日は何が出てくるかな~。
蟹です。めっちゃおいしそうなので、これは日本酒を頼まねば……と、注文しました。
それから、食前酒に出た日本酒が、白ワインのように酸味と甘みがあって、普通の日本酒じゃなかったので、それも別に出してもらいました。
色もちょっと黄色いですよね。
出してくれたグラスも洒落てます。
んーー。この素晴らしい京料理と日本酒……最高っ!
いつまでもこの贅沢な時間が続いてくれるといいのに、と、ほろ酔い気分でそんなことを考えてたり。
この季節に食べる鰆っておいしいですよね。
下の壬生菜とナッツがいいアクセントになっていました。
海老芋にはしっかりめに味がついていました。ほっくほく~。
この炊合せのスープをなめながら、日本酒を飲んでました。
汁気があるものの味も、みんなよかったなぁ。
アイスの上にザクロの実がちょこっと乗ってるのがかわいいです。
柚子のゼリーも美味。
よく京都って薄味と聞きますが、そういうわけでもないんですね。
美味しい和食は、手間暇かかる芸術です。
家じゃとても作れないような美味しいものを、色々食べることができました。
そして三日目の朝食はこちら。
二日目の朝とは出てくるものが全然違いました。
気が付いたら、おひつのご飯がほぼなくなってました。
ご飯は文句のつけようがないし、仲居さんはいつもニコニコ笑顔で親切にしてくれたし、チェックアウトの時もずっと手を振って見送ってくれたし、とても居心地のいい宿でした。
私は色んな宿に泊まってみたいタイプなので、次もまた泊まる宿ってあまりないのですが、柊家別館は次に京都に行った時も、また泊まるんじゃないかなと思います。
今年一番のいい宿でした。
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