四季彩一力は福島県の磐梯熱海駅より徒歩4分のところにある、創業百年を超える老舗の旅館です。
チェックイン後、ロビーでお茶と羊羹をいただいている時、大女将が一つ一つのテーブルを巡って挨拶に来ていました。
窓の外には、四季折々の美しさを楽しめる、手入れのされた庭園が見えます。紅葉のシーズンなど、綺麗そうです。
小さい温泉宿も好きなのですが、格式ある大きめの旅館に来ると、こういったロビーや庭のどっしりした構えを見るのもワクワクします。
係の人に案内されたお部屋は二階の208号室。ドアの前に、木の引き戸がついているのがおしゃれです。
10畳+広縁つきの広々和室です。
座布団がフカフカすぎて、座ると沈み込みます。しかも脇息がついてます。いいですね!お殿様になった気分です。
さすが老舗旅館。何不自由ない備品揃え。
夕食の時間は、18時、19時、19:30と選べました。
部屋の中を一通り探索した後は、お茶とお茶菓子で一息。
窓の外を見たら、目の前の池に白鷺が立っていました。
日本庭園に鷺とは、なんて絵になる!と、慌てて写真を撮ろうとしたら、飛んで行ってしまいました……。
ちなみに、鷺は来客でしょうが、この池の住人としてアヒルがいました。
しばらく部屋でのんびりしていたのですが、
下でスパークリングワインをもらえるということで、お風呂上りにいただこうとまずは温泉に。
温泉に向かう途中の廊下の角に、綺麗なお花が活けてあります。
いいですね~こういう心遣い。無機質な廊下が途端に華やぎます。
女性は一階、男性は二階になります。時間での交代はありません。
泉質はこんな感じです。
大浴場も清潔です。
内湯は手前は普通に掛け流しの温泉なのですが、奥の六角形の部分はジェットバスになっています。夜の11時まではジェットバスが稼働しているようです。
窓の向こうは掛け流しの露天風呂で、温度は内湯より少し温めで長時間入っていられます。
広い内湯と露天風呂は、引湯してきているのですが、こちらのぬる湯は自家源泉です。二人はいればいっぱいの、小さい掛け流しの温泉。小さいですが、自慢の温泉なんだそうです。
温度が29-31度と低めなので、まずは広い内湯なり露天で身体を温めてから、ぬる湯に浸かる交互浴がおすすめとのことで、最初に入る時は「ちょっと冷たい~」と思いますが、慣れると気持ちよくなってきます。
あっちの湯舟こっちの湯舟と行ったり来たりして交互浴を繰り返し、のんびり温泉を楽しんで、そろそろ上がるか~と、時計を見たら、6時5分前!スパークリングワインタイムが終わっちゃう!!
5時過ぎにここにきて、5時半くらいまでお風呂を楽しんで、そのあとゆっくりスパークリングワインをいただこうと思っていたのに、お風呂で一時間近く過ごしていたとは……。
慌てて着替えて、もらいに行きました。
私はもちろん、母も「そんなに浸かってたかなぁ?」と首を傾げていましたが、夜も結局一時間くらい入っていました。ここの温泉には時間を忘れさせる魔力があるようです。
長湯したくてもあまりできない私としては、長時間お湯を楽しめる温泉はとてもありがたいです。
朝は、斎藤さん家のりんごジュースをいただいたのですが、とっても美味しかったです。
ロビーには、お雛様が飾られていました。
そっかーそういえば、来月は桃の節句だもんね。もう最近は全くお雛様を見てなかったので、こういうところで見られると嬉しくなります。
小さい頃は、ワクワクしながら飾りつけをしたものです。
そして夕飯のお時間です。夕飯は二階のお食事処に。
私たちは樹庵のほうで食事です。
まずは食前酒の白ワインで乾杯をし、お酒を頼みます。
福島の色んなお酒を飲んでみたいので、飲み比べセットにしました。
しばらく迷いましたが、2と3にしました。
それでは前菜をいただきまーす。
そして日本酒!
ずらりと揃った日本酒が圧巻です。
母も私も共通の意見として、飲み比べセット3がどれも甲乙つけがたくいいお酒でした。
そして美味しかったのはお酒だけではなく、料理もとても美味しかったです。
お造りの写真も撮ったはずだと思っていたら、撮り忘れていました。お刺身は、普通にお刺身といった感じ。
そしてこちらの柚子釜!
丸々一個の柚子をくりぬいて器にした、季節感あふれるこの一品。母が痛くお気に召したようで、あっという間にぺろりと平らげていました。
クリームのようなとろみがついた味噌がほんのり甘くて、確かにおいしい~!
ここの宿の口コミにも、柚子釜が美味しかったと書かれていただけあります。
私はこれをちびちびなめつつ、日本酒をいただく時間が至福でした。
タコがめちゃくちゃ柔らかくなってました。蕪にもじんわりと味がしみ込んでいます。
食事の途中で、若女将が一つ一つのテーブルに回ってきました。
きちんとした旅館では、食事中に女将があいさつに回ってきたりします。
いつもそういう旅館だと、なんとなくこちらの方が「あ……すみません、わざわざ挨拶していただいて……」みたいに、頭をぺこぺこさせてしまうのですが、この一力の若女将はそういった「老舗旅館の女将」というオーラよりも、気さくで親しみやすさが前面に現れていて、今まで見てきた女将に比べると(そんなにたくさん見てるわけではありませんが)、いい意味で異色の女将でした。
母が柚子の窯焼きを絶賛し、私がお風呂に入っていたらあっという間に時間が過ぎていたことを話すと、若女将はニコニコしながら、柚子の窯焼きは冬季限定なこと、お風呂はぬる湯が自慢の自家源泉であることなどを教えてくれました。
また、ここの水道は水道局からの水ではなく、街の西部の深沢川から取水していて大変美味しいから、部屋に用意されているミネラルウォーターは家に持って帰ってもらって、旅館にいる間ばぜひこの水を飲んでいただきたいと言ってました。
確かにお水も美味しかったです。いいお水で料理するのですから、更に美味しく作れるんでしょうね。
私たちが飲み比べで3番が一番美味しかったと口を揃えて言うと、若女将はふふっと笑って
「1番から3番で変わっていきまして、3番が好きな人は飲兵衛なんですよ」
と言っておりました。いきなりの酒好き認定ですが、本当に3番はどれも美味しかったんです。酒好きじゃなくても、あれが一番おいしいと思うんだけどなぁ~。
などなど、若女将の人柄に惹かれて、ついつい話し込んでしまいました。
お味噌汁を一口飲んで「あ、おいしい~」と確信。やっぱり料理が美味しい旅館って、出てくるお味噌汁も美味しいんですよね。美味しい料理をいただて、最後のあたりにお味噌汁を飲んで「うん、やっぱりおいしい」と思うことはあっても、お味噌汁だけおいしい旅館とかには出会ったことがありません。
私の中では、お味噌汁の美味しい旅館はポイントが高いです。
デザート三種
最後はデザート。こちらも美味しかった~。お腹いっぱいだったけど、デザートは入る余地がありました。
ごちそうさまでした。
寝る前にもお風呂で交互浴を楽しみ、就寝。
最近日々の睡眠の質を知るべく、Mi bandをつけて寝ているのですが、いつもより深い睡眠の時間が増えててびっくりしました。お腹いっぱいだったり、慣れないところで寝たりするので、深く眠れてないだろうなーと思っていたら、いつもより一時間も深く寝ている時間が増えてたという。
交互浴って効果あるんですね。まして温泉なら尚更なのかもしれません。
起きてからバスタオルを肩にかけて朝風呂に入り、それからの朝ご飯。
煮物の味付けも好みでした。
色んなおいしいおかずがあって、ご飯を食べ過ぎないようにするのが大変でした。
チェックアウトは11時と少し余裕があるので、食後にまたお風呂に。お風呂は10時まで入ることができます。
温泉宿にいる間は、全力でお風呂に入るのが私の流儀です。
その後チェックアウト。最後にまた若女将などに見送ってもらい、車で駅まで送迎してもらいました。
駅の前には足湯がありますが、意外と混んでいます。
郡山行きに乗って、郡山からは「なすの号」で帰ります。
出発より結構前にホームに着いたのですが、なすの号は待っていました。
なすの号だと、ここが始発になるんですね。
そしてなんと……私たちの乗った車両には、私たちしか乗りこみませんでした。
折角なので、後ろの誰も載っていないグリーン車も撮影。
更にこの奥に「グランクラス」という、横に3列しかない高級座席もありました。いいな~。
郡山駅の売店で買ったもも日和、とっても濃厚で美味しかったです。この天然炭酸の水は会津若松駅の売店で買ったのですが、普通の炭酸水よりさらりと飲みやすかったです。
東京に着くころには乗客も増え、だいぶ賑やかになっていました。
90分であっという間に東京に到着です。早い。
今回訪れた四季彩一力。老舗旅館ですが、だからといって堅苦しくなくて、なかなかいい宿でした。
私たちは「ふっこう割」を使った一番安いプランで行ったので、正規のお値段のコースであれば、牛肉とかもっといい食材の料理が出てくるんだと思います。
食事も美味しかったので、食事をしっかり楽しみたい人は、少し贅沢をしてみるのもいいかもしれません。
コメントを書く