山々の稜線の美しさに感動!登山者を虜にする谷川岳

山々の稜線の美しさに感動!登山者を虜にする谷川岳
天神峠展望台からの谷川岳

谷川岳は群馬と新潟の間にある山で、日本百名山の一つでもあります。
東京からでも頑張れば日帰りできる気軽さや、標高はそこまで高くないものの、周囲の山々が連なる美しい稜線などの絶景に魅せられる人が多く、登山者が引きも切らない人気の山です。

私も登ってみたいな~とは思いつつも、持っている本では中級と書かれていたので、二の足を踏まないでもなかったのですが、他の色々なサイトでは初心者でも大丈夫と書かれていたので、行ってみました。

アクセス&駐車場情報

関越自動車道の水上I.Cを下りてから、国道291号線で20分ちょっと行くと谷川岳ロープウェイのある谷川岳ベースプラザに着きます。高速から下りて近いというのはいいですよね。
291号線はヘアピンカーブなどはなく、道幅もそこまで狭くないので、運転も難しくないと思います。

車は谷川岳ベースプラザに停めます。一日500円でした。都会の駐車場のように1階から5階まであります。6階にロープウェイの入り口があるので、5階に停めました。この日は平日だったので、空いていました。ちなみに、受付の女性は丁寧に案内してくれました。
立体駐車場と地上の駐車場を合わせると、約1500台停めることができるようです。かなりの大駐車場ですが、それでも紅葉シーズンはいっぱいになるのかもですね。

現地に着くまで

東京のどこに住んでるのかにもよるのですが、うちからだと関越自動車道は練馬まで行くのに時間がかかるのが難点です。今回は頑張って早起きして、5時半過ぎに出発して、8時半前に谷川岳ベースプラザに到着。途中高速のサービスエリアでおそばを食べて、だいたい3時間くらいかかりました。

いつも行く前は「てんきとくらす」で山の天気をチェックしていくのですが、この日は15時までがAで、以降がBの「曇のち雨」。曇かぁ……そこまでいい天気ではないっぽいなぁ……と思いながらも、どうしても行きたかったので、今回天気があんまりよくなくても、またいつか行くだろうと思って、行くことに決めたのでした。
谷川岳ロープウェイのサイトには、雷注意報が出ていますと書かれていました。雷だと、ロープウェイの運航が停止することもあるんだそうです。(実際、今回停止しました……)

東京は晴れてたけど、埼玉に入ってしばらくしたら、どんよりと雲が垂れ込めてきました。やっぱり天気イマイチかなぁ……と思っていたら、群馬あたりで雲がなくなってきて、高速に乗りながら、朝の山々と、秋の気配が漂い始めた空の色が美しくて、しばらく見惚れていました。

今回のルート

今回は、初心者におすすめのルート「天神尾根ルート」です。

谷川岳 天神尾根ルート

ロープウェイで天神平駅(標高1319m)まで行って、そこから谷川岳の2つの山頂、トマノ耳とオキノ耳を目指し、帰りは来た道を戻ってくる、ピストンというやつです。

さらに楽をしたい人は、天神平駅からリフトが出ているので、天神峠展望台(標高1502m)まで行って、標高を稼ぐこともできます。
一番楽したいなら、行きはリフトも使って天神峠展望台からスタートし、帰りはリフトを使わずに天神平駅まで戻ってくるのがいいと思います。

往復リフト券を買うと……帰り、疲れ切っているところに、最後の最後で上りが来ます。しんどかったです……。
ただ、リフトの下りって景色がいいので、それを楽しみたい方にはいいと思います。

登山開始

駐車場に車を停めて、6階に行ってロープウェイの往復券(2,100円)を購入します。安くはありませんが、あれだけ大きなものを走らせるのには、それ相応のメンテナンスも必要なんだと思います。

チケット売り場

この左側はレストランになっています。

チケットを買って、ぐるっと歩いてロープウェイ乗り場に向かいます。

ロープウェイ

普段は22人乗れるのですが、コロナに配慮しての11人乗りになっていました。
結構高い所を、ロープウェイで渡っていきます。
ケーブルカーと違って、足元ないというのはやっぱりちょっと怖いですね。下を見ると変なことを想像するので、遠くの景色を見ていました。

天神平駅
山がお出迎え!の、いい景色

ここから登山を開始する人が多いのですが、私たちは更にリフト(片道420円往復730円)を使います。
リフトが駅の右と左にあるので、どのリフトに乗ればいいのか一瞬戸惑いますが、天神平駅を背にして右側の2人乗りのリフトに乗ります。
もう片方の左側にある一人乗りのリフトはスキー用で、今は動いていませんでした。

リフト乗り場

リフトって、遊園地のアトラクションみたいで楽しいですよね。

出発~

このリフト、ところどころに風鈴がついていて、遠くから、ちりんちりんと音がしてきます。
リフトの上に何か乗ってるのがあるなぁ……と思ってよく見たら。

ぐんまちゃん&風鈴

ところどころの座席に、ぐんまちゃんが置かれてました。いいですね、こういうの。

リフトから眺望を楽しんでいたら、これから通るであろう道が、えらく混んでいるのが見えました。
リフトの人に聞いたら、NHKの大河ドラマのロケをしているとのこと。ここまで来てロケするとか、時代劇は大変ですね。

リフトを下りると、谷川岳への登山道は右にあるのですが、反対の左側に神社がありました。

天満宮

天満宮といえば、言わずと知れた学問の神様です。
なんとなく天神様と言えば、町の中にあるイメージなのに、なんで天満宮がこんな山の中に……?
珍しいなーと思いつつ、ご挨拶。
天神様の背後には、弁天様が祀られていました。

遠くに見えるのは赤城山

近くにはベンチや東屋があって、景色を楽しむことができます。

リフト乗り場の方に戻って、登山ルートを歩いて行きます。

これからあの頂上まで登ります

いつも遠くから見ると「うっは~……あんな遠くて高い所まで上るの?」と思うわけですが、あんなに遠くて高くて見えるところでも、登れちゃうわけです。やればできる。

谷川岳

さて、歩いて行きます。

木にアートを感じる

ロケ現場で「すみませーん」と謝られつつ、足止めされつつ、通り過ぎていきます。袴をはいた男の人二人が背中を向けて立っていましたが、芸能人にからっきし興味がないので、誰だかわかりませんでした。
ここまで来て演技をする俳優さんも大変ですが、それ以上に大きなカメラを運んでたりするスタッフの人たちはもっと大変そうでした。

しばらくはちょこちょこ上ったり下ったり、木の敷かれた道を歩いたりします。

50分ほどで、熊穴沢避難小屋に到着。

熊穴沢避難小屋

ここで休憩している人たちもそこそこいましたが、そこまで広い場所でもないですので、先をゆっくり急ぐことに。

さて、今までは私が経験してきたような普通の登山かな、という感じでしたが、この避難小屋の先からはその様相ががらりと変わってきました。

ここから先は岩場が多くなり、鎖場も連続します。
鎖やロープをつかまなくても、場所を気を付ければ登れますが、手も使ってよじ登る場所が頻出します。グローブ持ってきてよかった~。

平日でも、鎖場のあたりはちょこっとですが流れが止まりますので、土日はこういうところで結構混雑するんじゃないかなと思います。

岩場で鎖場があるとは聞いていたけど……上に登るまで、ほとんどそういうところの連続だとは思ってもいませんでした。
とにかく心拍数が上がりまくります。一つ越えるするたびに、肩で息をする始末。それがいくつも続きます。

大変のはずなんですが、疲れているんだけど、それを嫌だと思わないのが登山の不思議な所。(人にもよるでしょうが)

途中にはこんなスポットがありました。

天狗の留まり場
そこからは、来た道が見えます

山と山の間に見えるのがロープウェイの駅辺りなんじゃないかと思いますが、結構歩いてきました。

まだまだ道は先です

まだまだ、よじ登らないといけない場所は続きます。
ふっと左を見ると、山の稜線が美しいです。

俎嵒(マナイタグラ)が綺麗

景色の美しさを気を良くしながら、ヘロヘロになりつつ歩いて行くと、天神ザンゲに到着。

天神ザンゲ

この素晴らしい眺望。遠くの山々まで綺麗に見えます。
しかし天神ザンゲってすごい名前だなぁ……ザンゲって懺悔?神様が??
謎だ……。
私のもくもくと湧く疑問をよそに、天気はさっぱり晴れていい眺めです。

ここまでくれば、ゴールは近くなってきます。
岩場が階段になります。(ただ、ここで階段なのも結構きついです)
頑張って登ること、ついに肩ノ小屋に到着。

ベンチからは山々を眺めることができます。

のんびりお弁当

ここで休憩したかったのを我慢して、頂上のトマノ耳を目指します。

もうひと頑張り

ふと右を見ると、笹っ原の上に標識が。

フォトジェニック!

これはいい景色です。
右を見ても左を見ても見晴らしが良くて、登っていて楽しいです。

トマの耳に到着
トマノ耳から見る、もうひとつのオキノ耳
山頂からの大パノラマ(写真は小さくなるけど)

トマノ耳の山頂はあまり広くはないのですが、お腹が空きすぎていたので、オキノ耳を眺めつつ、お弁当を頬張ります。周りの人たちはガスバーナーを持ってきてお湯を沸かしていたりします。周りがそういうのをやっていると、試してみたくなりますよね。

今回から、ミレーのドライナミックメッシュアンダーウェアを着用していたのですが、リュックを下ろして、何気なく背中を触ってみたらシャツがびっしょりで驚きました。確かにめちゃくちゃ汗はかいていたのですが、今まで来ていたユニ〇ロのシャツと違ってべったりしていなかったので、そんなに汗をかいていたとは思わなかったのです。さすが評判の良いドライナミック。

お弁当を食べて一休みしたら、見えているオキノ耳へ。

奥には一ノ倉岳と茂倉岳が

天気がいい日の稜線歩きは、見晴らしも最高でいつまでも歩いていたくなります。

横から見たオジカ沢ノ頭と俎嵓(マナイタグラ)

谷川岳から見えるこの景色が気に入りすぎて、写真を何枚も撮りまくりました。

下を覗き込むとこんな感じ

ちょっと歩いて、オキノ耳に到着です。
空の色がめちゃくちゃ綺麗。

オキの耳
右側の景色
左側の景色
正面の景色

登山開始からずっと天気にも恵まれて、こんなに綺麗な景色を見ることができて本当にラッキーでした。
ところで上の写真ですが、真ん中よりやや左に鳥居があるのが分るでしょうか?
休憩中にあそこに鳥居があるのに気づいたので、ここで引き返さずにあそこの鳥居まで行ってみることにしました。

富士浅間神社奥の院

富士浅間神社?浅間様と言えば富士山だけど、ここに浅間様??
と思ったら、昔この谷川岳は谷川富士と呼ばれていたんだそうです。なるほど~。
この神社の中宮は、みなかみ町にあるようです。

小さな祠がありました

祝詞を唱え、神様にご挨拶して帰路につきます。

帰りはあの登ってきた岩場を下りるのですから、慎重に慎重に。
ストックを何とか使いながら、ずりずり滑りながら下りているおばさまなど、なかなか危なっかしい光景も見かけました。
私も雑に下りていたらちょっと膝に来たので、あ、これはいかん、と太腿ブレーキを使って下りました。最初から丁寧に下りた方がいいですね。

行きは天気も良く、山頂でも風が気持ちよく吹く程度でしたが、下山するにつれてどんどん雲と風が出てきて、しまいにはゴロゴロと雷の音が。

疲れている身体に鞭打ってリフト乗り場まで戻ってきたころには、雨こそ降ってないものの、重たそうな雲が垂れ込めていました。

リフト乗り場の係の人に「今、ロープウェイは運航を見合わせてるかもしれない」と言われ、ロープウェイ乗り場に行ったら、雷雲のため運航を見合わせており、再開を待つ人が十数人ほどいました。

再開まで隣のレストランで甘いものを食べつつ外を見ていたら、遠くで部分的に視界が真っ白になっている箇所があり、そこでは雨が強く降っているみたいでした。
結局一時間ほど待たされ、運航再開。
でも、雨がますます強くなり、車を駐車場から出した時には、ロープウェイはまた止まっていました……。危なかったー。

帰りは足止めを食らいましたが、素晴らしい景色を見られたし、多少大変だったけど、楽しい登山となりました。

日帰り温泉「湯テルメ・谷川」

酒の後のラーメンが最高であるように、登山のあとの温泉は、至福の極みです。
本当は「鈴森の湯」に行きたかったのですが、なんと定休日!
ということでこちらの「湯テルメ・谷川」に行きました。
地元の人と、登山帰りの人たちが湯あみを楽しんでいました。

入口に売られている野菜や果物

まず驚いたのが、受付で私たちの前に並んでいた男の人の足から血の筋が二、三本たらーりと。ヒルにやられたんですね。谷川岳もルートによってはヒル天国らしいです。(今回の初心者ルートは、まあ大丈夫っぽい)
こちらの料金は630円と、銭湯に毛が生えたくらいの料金です。

ここの温泉の売りは、三種の源泉が楽しめるというもの。
一度に三つの源泉が楽しめるというのは、なかなかにお得であります。
不動の湯は循環も併用でしたが、あとの二つの小さな浴槽の方は掛け流しだったかな?温度も違うので、好みのお湯を見つけるといいでしょう。
また、露天風呂もあって、これがなかなか広くて気持ちよかったです。

2階の休憩所で一休み

汗を流してさっぱりすっきり。いいお湯でした~。

感想など

天気が良い谷川岳は最高でした!めっっっちゃ綺麗。写真では伝わり切れない部分も多いとは思いますが、谷川岳からの360度山山山の展望は絶景かつ清々しいです。
ああいう素晴らしい眺望を見てしまうと、山に憑りつかれる人の気持ちがわかりますね。また登ってみたい……って。

谷川岳は初心者でも行ける、とよく色んなところに書いてありますが……。
行けると言えば行けるけど、そこまで初心者向きでもない、と思いました。
まあ少しは登ってきた初心者なら行ける、ってくらい。

道端で足がつって座り込んでいる若い男性、足をくじいたのか、山頂から友達の肩を借りて下りてくる若い男性、死にそうな顔をして登っているカップルの男性(なお、後ろの女性は元気)……など、今まで登ってきた他の山より明らかに大変そうな場面を目撃しました。
年配の夫婦で来ている方などもいて、結構難儀していたりも。
私も一つ登っては肩で息をする場面は結構あったし、そこそこの体力は必要になると思います。

でも登ることができれば、登った甲斐のある山だと思いますので、是非登ってみてほしです。

補足

この記事を見て、谷川岳行ってみたい……と思われた方がいたら嬉しいのですが……谷川岳は2020/9/9の集中豪雨の影響で、国道291号は陥没して通行止め、ロープウェイとリフトも集中豪雨で電源喪失し10/31までの運休が決定したそうです。(状況次第によっては延期の可能性も)
これから紅葉シーズンなのに、残念です。
早く復旧してくれるといいですね。

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