世界卓球で、北朝鮮と韓国が一緒になった合同チームと当たることになった女子日本。
石川佳純選手が当たった相手は、北朝鮮の選手で、以前オリンピックで初戦敗退してしまった相手。
今回もフルセットまでもつれ込み、更に11点でも勝負がつかず、二点先取のジュースにまでもつれ込んだ。
なんとしても勝ちたいこの試合。
その最後の試合だけで、相手のボールが卓球台の角にあたって変な方向に飛んでしまって取れないという、アンラッキーなことが何度もあった。
見ていてこちらも、
『ついてないな……こんなことが何度も続いたら、心が折れてしまう。佳純ちゃん頑張って』
と、祈るような気持ちで応援していた。
でも、石川選手はあきらめず、耐えて耐えて勝利をつかんだ。
私たちが大変な目にあって
「もう駄目だ」
と、思う時。
実はその時って、本当はまだ余裕がある。
神様はそれをよく分かっていて、私たちの泣き言には聞く耳を持たず、更に私たちを容赦なく追い込んでくる。
本当に本当に苦しくて、出し切れるものはすべて出し切って頑張って、それでもどうにもならなくて、頭を上げる気力もなくなり、あともう一歩追い込まれたら自分が壊れてしまうような、そこまでの状況になった時に初めて、神様は手を差し伸べてくれる。
そしておそらく、そこで初めて、私たちは何かを知って一つだけ強くなる。
石川選手も、なんとか勝てて涙ぐんでいたけれど、きっとその先にあるものをつかめたんだと思う。
他の人ではまず手にすることのできない、かけがえのない何かを。
コメントを書く