福島の白河にある一軒宿、甲子(かし)温泉「大黒屋」さん。
阿武隈川の源流沿いにあって、豊かな緑に囲まれたなか湧き出でる温泉は、松平定信公にも愛された名湯です。
今週はちょっと一息つけるかしらと喜んでいるmariです、こんにちは!
前々から行きたいな~と思っていた宿、大黒屋さんに行くことができましたので、今回は大黒屋さんのことをしっかりと書いていきますよ(`・ω・´)
甲子温泉「大黒屋」さんは、福島の中でも東京に近い場所にあります。
那須からとても近いです。那須どうぶつ王国から車で30分も行くと、大黒屋さんに着きます。
チェックインよりちょっと早く着きそうだったので、東北自動車道を那須で下りて、「相田みつをギャラリー」に寄りました。
中は撮影NGで撮れませんでしたが、相田みつを氏の詩がいろいろと並んでいて、楽しむことができます。中でも驚いたのが、相田みつを氏が書いた般若心境。ものすごい達筆です。
本来は、字がめっちゃ上手いんですね!上手い人だからこそ、ああいった字も書けるんでしょうね。
ちなみにこの相田みつをギャラリーは入園料がかかりません。
ですから、休憩がてらふらりと立ち寄ってみるにもおススメです。
みつをワールドを堪能し、旅を再開。
東京から行くと、トンネルを抜けてすぐに左手の側道に入り、そのまま道なりでたどり着きます。
ただ、確かに側道のところに確かに看板はあるのですが、そんなに大きくなく&トンネルから出てすぐなので、
「あれっ?(今看板が……)」
とそのまま通り過ぎてしまい、引き返すに返せないまま、次の長ーいトンネルに入ってしまいました(;・∀・)
みなさまもぜひご注意を……。
そんなこんなで、行き過ぎた道を引き返しつつ、大黒屋に到着。
大黒屋さんは一軒宿で、そこ以外周辺に温泉宿はおろか、建物は見当たりません。
ぴかぴかの綺麗な館内です。
私たちは三階のお部屋に通されました。私たちと荷物でエレベーターがいっぱいになったので、お兄さんは三階まで駆け上がってました。すみません……(;・∀・)
今回泊まったのは本館ですが、別館の、江戸時代に建てられた松平定信公の別邸も趣があってよさそうでした。
冬は、床暖房が完備されている本館のほうがいいと思います。
お部屋はこちら。
窓から外を眺めると、緑がいっぱい!窓を開ければ、建物の横を流れる阿武隈川のせせらぎが聞こえてきます(´∀`)
都会の喧騒を忘れ去るには絶好のロケーションです。建物は綺麗だし、滞在するには快適そう!
ただし、いまどきの宿にしては珍しく、wifiが全館についてません。ロビー周辺のみということで、3階の部屋までは届きませんでした。
もしかしたら2階なら届くのかな?
一週間くらいネットのない環境に行ったところで、きっと私はパソコンではぱちぱち文章を書いてのんびり過ごしたりしそうなので、別に困りはしないのですが(調べものができないのはちょっと不便かも)、一緒に行った人たちには不評でした。
たまにはスマホを離してのんびりするのもいいと思いますよ。
洗面台の陶器がオシャレでした。お部屋も清潔だし、こんなところで一週間くらいのんびり滞在して、温泉三昧なんていいなぁ(*´∀`)
それでは早速、お風呂に行きます。
お風呂は4つ。全部1階にあります。
恵比寿の湯は本館の近くにあるのですが、その先にある名物の大岩風呂までが、100段くらい階段をずーっと降りていかないとなのです。帰りは逆に上らないといけないのですが、結構息が切れます。
この左横にプールがあるのですが、今年はプールはやらないそうです。
ここまで来るにはちょっと頑張らなければなりませんが、極上の掛け流し温泉にありつけるのであるならば、このくらいどうってことはありません。むしろ!ちょっと辿り着くのが大変だからこそ、この温泉のありがたみが増すんじゃないでしょうか。そのくらいここの岩風呂は
大岩風呂と恵比寿の湯は泉質が異なるので、ここはやはり両方満遍なく入るのがいいでしょう。恵比寿の湯は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)で、大岩風呂は単純温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)です。
恵比寿の湯には洗い場がついているので、身体を洗うにはこちらを利用します。(大岩風呂は湯船のみです)
お風呂もとても清潔で、露天に出ると回りは木々に囲まれていて、庭の景色も素敵。風を受けながら、のんびり入ることができました。お湯は無色透明で、ほんのりと土の匂い。このかすかに香る土の匂いが、いかにも地中から湧いて出てきた温泉っぽくて好きなんですよね。
温度もちょうどよくて気持ちいい~(´∀`)
この恵比寿の湯は、数時間だけ男女入れ替わりますが、基本女湯で使われている所のほうが、男湯より広いそうです。大岩風呂が混浴で、女性限定の時間が少ないからでしょうかね。
そして大岩風呂。
こちらは基本混浴なのですが、19時~21時までと、朝の5時~7時までが女性専用となります。
ですので、夕食は18時~19時で選べるのですが、いつもは19時を選択する私が、迷うなくここは18時を指定しまた。大岩風呂にゆっくり入りたいですからね。
混浴のときに一緒に行った人が入ったみたいなのですが、入口でお風呂に入らずウロウロしていて、明らかに様子がおかしい人がいたと言っていました。
どこにでもいるんですかね……この手の類の人は。
この前の法師温泉もここも、お湯が透明で足元までくっきりはっきり見えるので、女の人はまず混浴時間には入らないと思います。
夜と朝、二回の女性専用時間があるというのは嬉しい限り!日帰りの時は混浴ですので、女性専用タイムは宿泊客だけの特権です。
大岩風呂のお湯は歴史が古く、松平のお殿様も大事に守っていたお湯だといいます。
掛け流しでこれだけの広さとは、贅沢ですよね。深さも最深1.2mほどあって、本当にプールのよう!しかしそれだと座れないので、お風呂の中の段差に腰掛ければ丁度いい高さになります。
上からもお湯が注がれていますが、なんとこのお風呂、足元からも湧出しているのです!
足元からのお湯は温めなので、お風呂の中を歩いていると、ところどころに少し冷たいお湯を感じます。
足元の石などが、くっきりと見える透明なお湯は、恵比寿の湯に比べて温く、いつまで~も入っていられる気持ちよさです。
大岩風呂の雰囲気もとても落ち着くし、本当にこの柔らかいお湯には、何時間でも入っていたいくらい!このお湯は優しいけれど、温泉のパワフルさを感じさせてくれます。
大岩風呂の真ん中には子宝の石が置かれていて、そちらを撫でると子宝に恵まれると言い伝えられています。またこの温泉はうつ病にもいいとのことです。この温泉にはいったいどんなパワーがあるんでしょうね!?
お風呂をのんびり楽しんだ後は、こちらもお楽しみ、食事タイム。
まずはお酒ですよね!
こちら白河のお酒で、端麗辛口の純米酒。飲みやすくて好みでした。
福島も米どころだけあって、いい日本酒も多いんでしょうね。
この岩魚の塩焼きの右についてるふき味噌。これがまた日本酒にあって最高~!
味噌をちびちび舐めつつ、日本酒をこう、くいっと……(´∀`)
旅館のご飯なので量は少し多めでしたが、男の人だとちょうどいいか、あとでちょっとお腹が空いてくるかもしれません。
給仕の女性の方には気持のいい接客をしていただき、写真も撮ってもらいました。
ありがとうございます。ごちそうさまでした。
翌朝。ちょっと頑張って早起きし、ぎりぎりまで大岩風呂の女性専用時間を楽しんでいたら、外から「そろそろ時間ですよ」との声。
ああ、もっとここのお湯を楽しみたかったなぁ……と、後ろ髪をひかれる思いで外に出たら、先に出たご婦人の方と宿の人がお話をしてました。
その横を通り過ぎたら、宿の方がお風呂はいかがでしたかと声をかけてくださったので、そこでちょっと私もまざって会話を楽しみました。
こちらの大岩風呂は、一時間かけてお湯を抜き、三時間かけてお湯を入れるんだそうです。掃除は2日にいっぺん行うのだとか。
「昨日掃除したから、下の石とかぬるぬるしてないでしょ?」
ええ本当に。とっても清潔で素敵な温泉です!
日々この大きな温泉を維持するのは大変なことだと思います。ありがとうございます。
「お風呂の下はね、コンクリートで固めてあるんだけど、それでも岩の間からお湯が出て来るんだよ」
とのこと。湯量の豊富さが想像できますね。足元湧出の温泉なんてそうそうないです(*´∀`)
「この温泉は松平のお殿様に守られてきたからね。昔はこの温泉に、鹿や猿も入ってたんだよ」
と、宿の方は誇らしそうにこの温泉のことを話してくれました。
また、白川ラーメンなら「とら食堂」のがおいしいよとか、日本最古の公園「南湖」は松平のお殿様が作ったのだということなども教えてくれました。
話も一区切りしたので引き揚げて、この綺麗な川の写真でもとろうかなとスマホを取り出します。
そうしたら、後ろから宿の方が、
「あそこ。岩の下に魚が見えるの分かる?あれ、岩魚だよ。30cmはあって、この付近に30匹くらいいるんだよ」
と、指を指して教えてくれました。
30cm!?そんなに大きいの岩魚って、もはや川の主ですよね!釣ったら罰が当たりそうです。
「じゃあ私はもう戻りますから、湯冷めしないように気を付けてくださいね」
と、気を使っていただき、あれこれとお話ししてくれた宿の方、本当にありがとうございます(´∀`)
色々教えていただいて嬉しかったです。
そして朝ご飯。
朝ごはんの後はロビーでコーヒーをいただきました。
ロビーでは他にもお茶かお水がいただけるので、お風呂上りにお水を飲んでいるときに、側にいた台東区から来たご婦人とも少しお話をさせていただいたのですが、なんと毎月5日間は(一週間だったかな?)夫婦でこの大黒屋来ているのだとか。
連続して予約を取るのはなかなか難しいから、とりあえず10月まではおさえてあるのですって。
昔は車で来ていたけど、最近は東北新幹線に乗って新白河駅まで行き、そこから宿の無料送迎のバスに乗ってくるのだそうです。
「お弁当を買って新幹線に乗って、食べ終わってしばらくすると新白河駅に付くから丁度いいのよ。何日も宿にいるから、バスの運転手さんにお願いして、途中のスーパーに寄ってもらって滞在分のお昼ご飯を調達するの。もちろん、その時別のお客さんがいたら、立ち寄ってもいいかどうか一声かけてからね」
あ、なるほど。そんなことをしてもらったりもできるんですね。
とても大黒屋さんが大好きなご婦人でした。
「あなたも今一杯お金をためて、あとでこうやって来るといいわよ」
と、ご婦人はニコニコしながらおっしゃっていました。
見習いたいです、私も是非してみたい!
お金貯めなきゃ(>_<)9
チェックアウト後も、車が見えなくなるまで手を振ってくれて、丁寧に見送りをしていただきました。
また、そう遠くないうちに再訪したいです。
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