正覚寺の開山400年記念祭に行ってきました。正覚寺は日蓮宗のお寺です。宗教にはうとい私ですが、日蓮上人といえば千葉出身で厳しいイメージがあります。
正覚寺。いつも横を通り過ぎつつ、ほとんど中に入ったことのないお寺でしたが、お祭りならば話は別です。
先着500名様に、アンケートに答えるともれなく、鬼子母神堂の建て替えの古木で作ったお守りがもらえるということで、それなら開始同時に行けばいいじゃんと張り切って、お祭りスタートの10時少し前に到着しました。
これらの灯篭は夕方ライトアップされてました。
大きな銀杏の木があります。これだけの木ですから、秋には大きな銀杏を落とすんだそうです。
この他、宮城から出店してるお店がアヒージョや特産物を売ってたり、香り袋を自分で作るコーナーや、子供用のお菓子を売っていたり、正覚寺のグッズを売っているところなどもありました。
三沢初子という人は、伊達綱宗の側室で生まれた子が2歳で世継ぎとなったため、暗殺などを心配した彼女は多大な寄付をしてこのお寺を建てたのだそうです。
日蓮宗の総本山身延山にあるものと同じサイズ同じ高さで再現して展示してあるそうです。こんな大きいものが久遠寺にあるんですね。本物を見てみたいです。夕方にはライトアップされて、いい雰囲気になっていました。
お寺を見て回っているうちに、開会式がはじまりました。
こちらの上人の話を伺うに、正覚寺はちょっと入りづらいお寺であることを自覚しているようで、もう少し檀家の人々だけではなく地元の人たちにも気軽に入っていけるお寺にしていきたいようでした。
確かに、ちょっと入りづらいんですよね。祐天寺ほど開けた造りをしていないせいか、祐天寺ほど中を歩いている人が少ないせいか。道からだとあまり中の様子がわからないせいもあると思います。
11時からはこの鬼子母神堂でご祈祷があって、普通ご祈祷にはお布施をしますが、今回はここのご祈祷がどんなものだか知ってもらうために開山記念祭で無料でいいということなので、これはぜひ受けてみたい!と、ご祈祷を受けることに。
真ん中には秘仏の鬼子母神がいらっしゃいます。普通は縁日の時しか開かないそうですが、今日は特別に開いて姿を見ることができます。写真からでも何となくわかると思いますが、秘仏の像はかなり小さくて、三沢初子の念持仏だそうです。だから小さいのですね。
右側にはそこそこ大きな鬼子母神像があって、ご祈祷は右側の鬼子母神像の前で行われました。
今まであまり護摩祈祷以外のご祈祷を受けたことがないので、興味津々でご祈祷を受けました。もちろん日蓮宗のご祈祷は初めてです。
ちなみに私は、宗派についての知識は皆無です。実家の宗派が何なのかも、聞いた三分後に忘れるくらいです。
まず、入ってきた上人の衣も袈裟も真っ白なのに驚きました。もっと色がついている衣と袈裟姿なのかと思ってました。
それから首から筒をぶら下げています。この中にはお経が入ってるのだそうです。
今回受けるご祈祷は、日蓮宗の僧侶ならだれでもできるものではなく、荒行を終えたものだけに伝えられるご祈祷なのだそうです。日蓮宗の荒行は三大荒行の一つなんだそうで……。
11月から100日間、冬の冷たい水を浴びお経を唱え続けます。朝(?)2時半に起きて3時には水行。一日7回の水行と勤行を続けます。最後の勤行は23時で寝るのは0時近く。2時間半くらいの睡眠時間で、その間の食事は水みたいな御粥を1分くらいですすって済ませるんだそうです。その食事が1日2回。よく生きてられますね……。超辛そう。
これを100日です。
目の前でニコニコしているこの上人も、成満したということですね。すごすぎる……。
そのご祈祷ですが。
一言で言って、ダイナミックでした。
ご祈祷がはじまると、上人は最初は鬼子母神の方を向いて火打石をカチカチしたり、木征(もくしょう。平べったい木魚みたいなもの)をガンガン打ち鳴らしてお経を唱えていましたが、やがておもむろにたちあがり私たちの方に向き直りお経を唱えながら、握られた左手は胸の下あたり、右手はリズミカルに木剣を打ち鳴らします。
すごく迫力があります。
ご祈祷を受けているうちに、身体がポカポカ温かくなってくるような感じと、身体がゆらゆら揺れるような感覚になって、ご祈祷の威力をなんとなく感じ取ったわけです。
最後に首からぶら下げているお経を、一人一人の頭、右肩、左肩、背中ゴシゴシ、頭と当ててくれます。ご利益を分けてもらっている感じがしてありがたいです。
予想外に素敵でした。気迫のこもったご祈祷で、悪いものが逃げ出していきそうな感じもするし、鬼子母神の愛情を感じるような気もします。日蓮上人の作った宗派のご祈祷だけありますね。
ご祈祷はこの日あと二回、その他、インドの楽器と雅楽と三味線がコラボしたコンサートが大小三回、落語も聞けて、阿波踊りやみんなでダンスをしたり、子供用に忍者として任務を10個こなすと何かもらえたりするイベントがあったりと、本当に盛りだくさんです。
16時から他の宗派も交えてのお経ライブがありました。
こちらの僧侶の方々は、宗派は聞き漏らしましたが……なにやら歌うような感じでお経をあげているので「あ、これ善光寺の大勧進のお朝事と似てるなー」と。
これは鳳凰ですが、他にも色んな仏教的な柄の模様が描かれた、花びらの形をしたカードでした。
後半は太鼓や法螺貝なども入って、力のあるお経ライブになりました。
最初はこのように、お堂の方を向いていますが……
一人の上人でも迫力があったのに、これだけの上人がそろって行う様は圧巻です。
いいものを見させてもらいました。
最後はコンサートを少し見学。途中からでしたので、着いた時にはインド楽器の演奏でした。もしかしたら最初に三味線だけ雅楽だけの演奏もあったのかもしれません。
この右側の楽器、タンプーラというものなのですが、ずーーっと演奏中同じリズムで3、4音くらいを繰り返していました。
なんだろー?急に代役でも頼まれたのかな?と思いましたが、後で調べたらこれはそういう楽器なんだそうです。
サポートには有用な楽器のようですが、弾いてて楽しいかと言えば……あまり楽しくないような気がします。
バンスリという笛と、打楽器のタブラは楽しそうに演奏してました。
タブラがあの小さな打楽器なのに、様々な音色をたたき出していて、面白そうな楽器でした。
次は全部の楽器がそろってのコンサート。
笙(しょう)の音を初めてしっかり聞きましたが、あんな音なんですね。なんだろ……ピアニカの和音みたいな音。
雅楽の音色って、結構独特なものが多いんですね。
琴は柔らかく、三味線は寒空を突き抜けるような音色で、私たちの耳を楽しませてくれました。
最後の曲は、ダンサーのよしかさんも登場して、踊りも奉納します。
手に持っているのはザクロで。鬼子母神、この正覚寺と言えばザクロなので、そこから踊りの構想を得ているようです。
10時から20時という長時間に及ぶお祭りでしたが、最後まで賑やかでした。
今までは少し遠い所にあるお寺のイメージでしたが、こういう機会が今後も増えると、地元の人も足を運びやすくなっていいと思います。
昔は正覚寺のお祭りも、かなりにぎやかだったと聞きますから、祐天寺に負けずこちらも盛り上げていってほしいです。
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