ノートルダムの鐘といえば、ヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダムのせむし男」がベースになっています。醜い容姿に生まれた主人公カジモドは、人々に虐げられる中救いの手を差し伸べてくれた、美しいジプシーの女性エスメラルダに好意を寄せるが、主人公の庇護者の司祭フロローと、警備隊長のフィーバスも彼女に心を寄せていて……という物語。
今回は、劇団四季の「ノートルダムの鐘」を初めて見てきました!
正確に言うと、母が見たいと言ったので便乗して行ったのです。ですので、誰が出るとか、そういう事前情報ナシの状態で行っております。
ノートルダムの鐘がそろそろ関東では千秋楽になってしまう!ということで、慌てて横浜まで見に行ってきました。会場は横浜のKAAT神奈川芸術劇場で、中華街のすぐ近くにあります。
中に入ったらホールは5Fだとかで、上に上がります。
すっごーい。めっちゃ真ん中空いてるじゃん!と、壁際のエスカレーターから、何にもないだだっ広い空間を眺めてひとりでテンションを上げておりました。オフィスビルじゃないからこそ、こんな風に作れるんでしょうね。
13時開場、13時半開演。
ご覧のとおり、来場者は圧倒的に女性が多いです。
今回は、直前だったのでS席はもう全然いいところがなくて、A席でした。(´ω`)
A席だと、なんと3階になります!しかも中2階があるので、実質4階から見下ろすような感じです!
取りあえず席を確認してから、ちょっとカフェでコーヒーを飲んだり、本日のキャストを確認したり。
(´ヘ`;)ウーム…
何となく予想はしていたのですが、私も母もキャストに知ってる人が一人もいない\(^o^)/
みたことあるかも?って人はいても、確実にあの人だと分かる人が私にはいませんでした……。
そしておそらくそれは、
私や親があんまり覚えていない=ダンスの人がいない
ということなので、これはもしかしたらダンスパートとかない……?もしかして、ストレートプレイ的な……??(;・∀・)
結論から言うと、ダンスパートがないことはなかったですが、せいぜいエスメラルダが躍るところくらいで、全体的にダンスで魅せるシーンというのはありませんでした。
私が今まで見た中で、一番ダンスシーンが少なかったかも。
しかしそれでも、私や母が大好きなダンスパートがなかったとしても、「ノートルダムの鐘」は十分魅力的なミュージカルでした。
舞台が始まり、カジモドが登場するシーン。最初ほぼ素のまんまの飯田さんが歩いてきて、一瞬その場違いさに
「??」
と思いましたが、そこから背中にせむし男に見せるためのコブを背負い、上着を着て、カジモドに変身します。何かその見せ方が四季っぽいなーと思ったり。
そしてカジモド役の飯田達郎さんですが、見てすぐに
「あ、これは好きな人多そう」
と思いました。
歌がとても上手いのはもちろん、広い劇場を覆い尽くす声量、ハリのある声はただ大きいだけじゃなくて、丸みがあり、そこにうまく感情もこめられています。本気を出して歌うと、カジモドっぽくなくなりますがw
演技もなかなか良かったと思います。カジモドに感情移入しやすかったです。
調べてみたら飯田達郎さんは、ジーザス・クライスト=スーパースターのヘロデ王や、キャッツのラム・タム・タガーも演じてるんですね。
私の中でのヘロデ王といえば下村さん、ラム・タム・タガーといえば沢木さんなのですが(古くてすみません……)、飯田さんverも見てみたいです。ラム・タム・ダガーの方はなんとなく想像できますが、ヘロデ王は……。下村さんのように太腿に色気を見せて、ちょっとカマっぽく演じたりするんでしょうか……(;´Д`)
話は戻して、飯田さんのカジモドはとても良かったです。
飯田さんが他のミュージカルに出てたら、それも見てみたいかも、と思うくらい。ライオンキングのシンバとかやらないですかね~。
エスメラルダ役の宮田愛さん。これはもう、ダンスシーンを見て、あ、この人はダンスの人ねと分かるキレの良さ。スレンダーな身体でジプシーのダンスを踊りますが、スカートに覆われて動きが見えにくいところも、クイッと腰をひねってセクシーさを見せつけます。
しかも歌も結構上手いです。
昔は歌の人は歌、踊りの人は踊りが圧倒的に上手くて、見ててすぐに分かったものですが、最近は「あれ?この人は踊り?歌?」とちょっとわからない時もあります。最近の四季はすごいですね。
全体的にストーリーもわかりやすくて、映画を見てはその内容が分からなくて後で一緒に見た人に聞いて呆れられる私でも、すんなり理解できました。
話分かる~。でも私、確かこの話、昔一回見てんねんなー。
と、ノートルダムの鐘は以前、四季ではない別のミュージカルで見ているのですが、そこで見た話の内容をさっぱり覚えていなかったのです。
それもそのはず、その時見た「ノートルダム・ド・パリ」は日本語じゃなかったし、ダンスがなかなか良さそうということでダンスを見に行ったから、話はほとんど分からなかったという/(^o^)\
今回は日本語だったので、話も良くわかりました。(ノ´∀`*)
話の大事な部分だけど、普通のミュージカルではあまり表さないト書きのようなところを、
「カジモドは生まれて初めて嘘をついた~♪」
みたいに、石像が歌ってくれたのも理解の難易度を下げている部分かも。子供でも見てて分かる配慮かもしれませんね。
舞台が終わり、拍手喝采。ほとんどの人がスタンディングオベーション!
カーテンコールの連続連続また連続!それでも鳴りやまない拍手。
四季のミュージカルで、ここまでスタンディングオベーションの人が多かったのって珍しいし、カーテンコールも10回くらいあったんじゃないかってほど。
でも、それもわかるなぁ、っていうミュージカルでした。
帰り際、周囲の女の子たちから、
「めっちゃよかった~」
という声が聞こえてきました。
うんうん。ダンスが少なかったけど、私もかなり楽しめました。(´∀`)
入口横には、少し前に他界した、四季の創設者である浅利さんの写真がありました。
ここまで一つのミュージカルの劇団を大きくした、ミュージカルを流行らせたのは、浅利さんの偉大な功績の一つですよね。四季には、今後もどんどん良いミュージカルを世に送り出していってほしいです。
満足な気持ちと、最後に少ししめやかな気持ちで、劇場を後にしました。
「ノートルダムの鐘」の横浜公演は終わって今度は地方に移りますが、お近くに来られた際には、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。
とっても歌がうまくて、純粋なカジモドに、きっとみなさんの心も刺激されるはずです。
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